ビットコインFXに限らず、幅広い相場でも使えるフィボナッチツールはトレードの勝率を大幅に上げる可能性のある便利なテクニカル指標です。
フィボナッチ・リトレースメントやフィボナッチ・ファンなどの指標を使うことで、価格のサポート(支持帯)とレジスタンス(抵抗帯)を予測することができ、チャートの「戻し」や反転するポイントで指値注文することができ、実際に機能することが多いです。
とくにビットコインの週足はフィボナッチリトレースメント無しには語れません。
今回は、TradingViewでフィボナッチを利用して逆張りエントリーポイントや利確ポイントを決める方法を解説します。
またTradingViewには、フィボナッチエクスパンション、フィボナッチ円、フィボナッチタイムゾーン、フィボナッチウェッジなど数多くの派生テクニカルツールも最後に紹介します。
このフィボナッチはエリオット波動論などに応用することで真価を発揮します。是非この記事で使い方を理解していってくださいね。
フィボナッチ数列は万物の法則
フィボナッチ数列というのは、西暦1200年頃イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチ氏が発見した自然界にある数列です。
1番目と2番目の数字を足すと3番目の数字になり、それが延々と繰り返される数列をフィボナッチ数列と呼びこのような計算式となります。
0 + 1 = 1 1 + 1 = 2 1 + 2 = 3 2 + 3 = 5 3 + 5 = 8 n + (2n-1) = 3n-1
数字だけを並べるとこのようになります。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233…
フィボナッチ比率の法則はチャートにも表れる
フィボナッチ数列の重要なポイントは3つの「比率」です。
①最初を除き、どの数字も次に続く数字の0.618倍となっています。
たとえば、144 ÷ 233 = 0.618となります。
②また、どの数字も2つ後の数字の0.382倍になっています。
③さらに、どの数字も3つ後の数字で割ると、0.236になります。
この0.618、0.382、0.236を「黄金比率」や「フィボナッチ比率」と呼びます。
雪の結晶やひまわりの種の並び、貝殻、生物の増える増加速度…
自然界にある美しいものはすべてこのフィボナッチ比率に当てはまるといわれていますし、ピラミッドなど建造物・芸術にも当てはまります。
ビットコイン相場でフィボナッチ比率を使う
人間が本能的に心地よいと感じるフィボナッチ比率(0.618、0.382、0.236)はチャートにも反映されます。
チャートは投資家心理の集合体だからです。
押し目や反転のポイントを図る、ポジションを持つ、利確するなど、トレードの売買根拠を求めフィボナッチ比率が働くのは、当然のことだといえます。
この本能的に人間が心地いいと感じる比率を、テクニカル指標として世界中のトレーダーが意識するということは有効なラインとしてより機能するということになりますね。
フィボナッチ比率が最も機能する相場はトレンドがはっきりしている時です。
フィボナッチのテクニカルツールの種類
フィボナッチ比率は様々なツール(インジケーター)があります。
- フィボナッチ・エクスパンション
- フィボナッチ・チャネル
- フィボナッチ・グリッド
- フィボナッチ・タイムゾーン
- フィボナッチ・ファン
- フィボナッチ・アーク
- フィボナッチ・リトレースメント(オススメ)
この中で最も多用する「フィボナッチ・リトレースメント」を例に使い方を説明します。(後で他のも説明します)
最もトレーダーに利用されているテクニカルツールだからです。
フィボナッチ・リトレースメントのサポートやレジスタンスになるポイントは、より多くの投資家が見ていて節目となることが多いです。
リトレースメントは「引き返す」「後戻りする」という意味です。
フィボナッチ・リトレースメントは、それぞれの時間足で直近の高値と安値の値幅にフィボナッチ比率を掛け合わせ、どこがサポートやレジスタンスになるか目星をつけるものです。
相場は一方向に進むものではなく必ず戻りや反発があるものなので使いどころが多い指標です。
フィボナッチツールの引き方
実際にTradingViewでフィボナッチ・リトレースメントを利用してトレードする方法をご紹介します。
上位の(長い)時間足でフィボナッチを引く
フィボナッチ比率は長い時間足の方が機能する傾向があります。
これはビットコインの日足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを引いてみた画像です。
最高値から直近の底値に引いてみたのですが、実際にフィボナッチ比率のラインが意識されているのがわかりますね。
日足のような長い時間足は多くのトレーダーが認識しているので、フィボナッチ・リトレースメントを意識して指値をしている人が多いからです。
これから作られるチャートもこのフィボナッチのラインが効くはずなので、利確ポイントや反転のポイントとして参考に指値を仕掛けておくといいと思います。
一分足のように短い時間足だと、見ていない人も多いので機能しないケースも多いです。
直近の高値と安値にフィボナッチを引く
直近の高値と安値にフィボナッチを引くと、次はどのあたりで反発があるのか見当をつけることが出来ます。
これはビットコイン一時間足の直近のチャートです。
ちょうど下落トレンドの真っ只中という感じのチャートですが、レジスタンスになっているポイントはフィボナッチのラインが効いていますね。
最新のビットコインの価格の底からの戻しもフィボナッチ0.236が効いてることがわかります。
次のラインに向けてレジスタンスで跳ね返されるのか、突破して直近のフィボナッチがサポートラインとなるのかで、損切りや利確、ロングorショートでインするか判断します。
一日の高値と安値にフィボナッチを引く
その日一日の動きがどのようになっているか、これから動くとすればどのくらいの値幅をみていくか、分析することができます。
これは6月13~14日のビットコインチャート(15分足)です。
暴騰するとしたら(大口の仕掛け含む)一番上のフィボナッチのライン(1.618)あたりまで上げる可能性がありますし、このあたりがレジスタンスになってくる可能性があることがわかります。
また、フィボナッチのラインが一度効いて跳ね返されている価格帯は、より強いレンジスタンスとして直近のトレンドでは機能するのでチェックしておきましょう。
このように一日の動きの中で直近の意識されているラインを探すことで、利確や損切、レジスタンスやサポートラインを把握することができます。
ビットコインの週足チャートを見てみると、2017年末の最高値と2018年末の最安値で引いたフィボナッチリトレースメントが2020年でもしっかり効いていることが確認できます。
BitMEXの他のテクニカルツールの使い方は以下の記事でまとめています。
TradingViewでフィボナッチツールを使う方法
TradingViewが搭載されているチャートであればどこでも使えますが、ログインしたらチャートを拡大しましょう。矢印マークをクリックで拡大表示されます。
ピッチフォークとかかれたフォークのマークをクリックすると「フィボナッチ・リトレースメント」がでてくるので選択しましょう。
フィボナッチ・リトレースメントを選ぶと、今後このマークのところには「フィボナッチ・リトレースメント」が表示されるようになります。
直近の安値をクリックし、次に直近の高値をクリックします。順番はどちらでもいいです。(ヒゲの先端でもロウソク足の端でもお好きな方に)
すると、フィボナッチ比率が自動で計算され表示されます。便利ですね。
直近の値幅をみると、確かに法則通りにフィボナッチ比率のラインが効いて値動きしていることがわかりますね。
ラインを消したり、引き直したりしたいときは、引いたフィボナッチの右上に現れるこのアイコンをクリックします。
【ヒゲ先端か?ロウソク足の端か?】
フィボナッチリトレースメントを引くときに、ヒゲの先端に併せるのか、ロウソク足の端に合わせるか迷うかもしれませんが、実際どちらも機能します。
他のトレーダーもそんな感じで自由に使っているので、ヒゲ先端でもロウソク足でもお好きな方を使いましょう。
その他フィボナッチツールの使い方と応用
TradingViewで使えるフィボナッチツールは全部で7種類あります。
- フィボナッチ拡張ベースのトレンド
- フィボナッチ・スピード抵抗ファン
- フィボナッチ・タイムゾーン
- フィボナッチ時間ベースのトレンド
- フィボナッチ・円
- フィボナッチ・スパイラル
- フィボナッチ・スピード抵抗円弧(アーク)
- フィボナッチ・ウェッジ
- フィボナッチ・チャネル
フィボナッチ・エクスパンション(拡張ベースのトレンド)
リトレースメントが最高値と最安値の間に引くラインなのに対し、フィボナッチ・エクスパンションは、直近高値・安値から次のトレンドがどこまで伸びる(ブレイクする)のかというターゲットを出すツールです。
チャート上で、基準のトレンドとして任意のA、Bとその後の戻り値Cの3点を指定するとラインが描かれます。
フィボナッチ・ファン
フィボナッチ・スピード抵抗ファンは、ファンの形に時間軸のフィボナッチも取り入れたテクニカルツールですね。使い方はギャンファンと似ているので参考にしてください。
先日ビットコインチャートでフィボナッチファンが機能しているという聞きましたが、確かに有効です。押し目で買う等トレードに使えそうですね。
フィボナッチ・円
任意のポイントから円を描いてフィボナッチを表示します。美しいと思うポイントでやはり値動きがあるのが分かりますね。
フィボナッチ・スパイラル
こういう巻貝みたいなやつが描けます。
フィボナッチ・タイムゾーン
フィボナッチ・タイムゾーンは任意の時間軸2点を定めると、その先の時間経過をフィボナッチ比率で表示してくれるものです。
フィボナッチ時間ベースのトレンド
フィボナッチ・エクスパンションの時間軸バージョンですね。
チャート上で、基準のトレンドとして任意のA、Bとその後の戻り値Cの3点を指定するとラインが描かれます。
フィボナッチ・アーク
フィボナッチ・アークは、任意の地点から虹のようなフィボナッチを描くことが出来ます。
フィボナッチ・ウェッジ
フィボナッチ・ウェッジは、任意のABC点を指定してウェッジ型のフィボナッチを表示します。
フィボナッチ・チャネル
フィボナッチ・チャネルは任意の時間軸AB、直近最高値を指定するとフィボナッチのチャネルを表示します。
フィボナッチ・チャネルは色んな場面で使える
フィボナッチ・チャネルは使い勝手がよく、実はリトレースメントの次に多用されているのではないかと思います。
例えば、本来の使い方の他に、以下の画像のように、中央線のあるチャネルを描画するときにも使います。
フィボナッチチャネルの設定を開き、以下のように、表示を変更することで中央線ありのチャネルの描画モードにできます。
0、0.5、1 以外のチェックを外し、色や透過度を自分好みに調整。以下の画像参照。
フィボナッチツールを使う注意点
実際の画像をみればわかるかと思いますが、フィボナッチのラインが必ずしも機能するとは限りません。
フィボナッチが効きやすい相場とそうでない相場が存在します。
例えば、史上最高値を目指すようなチャート、つまりそのほかのトレンドラインが介在しないような一方通行のチャートではフィボナッチが輝きます。
ただ、トレンドが強いとそのままぶち抜いていくこともあるので、「ここで必ず反転する!」というようにフィボナッチを過信しすぎないようにしましょう。
関連記事 BitMEX(ビットメックス)の手数料ルールについて詳しく解説
フィボナッチのまとめ
フィボナッチ・リトレースメントやチャネルを利用してトレードの逆張りポイントや利確ポイントを決める方法ということで、チャートツールの使い方をまとめてみましたがいかがでしたか?
見る時間軸によっても変わってきますが、ほとんどのチャートの動きがこのフィボナッチ・リトレースメントに当てはまっているのがわかると思います。
とくに一方向に大きく動くときのレジスタンスとしての役割が大きいですね。
また、フィボナッチはエリオット波動を使いこなしたい方にも必要な知識なので、フィボナッチがある程度理解できたところでエリオット波動についてももう一度読んでみてください。
知識を併用して使うことをオススメします。
是非、ビットコインFXやそのほか先物などでテクニカルツールを使いこなし、トレードを有利に運んでいきましょう!
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