仮想通貨FX、ビットコインFXでまだ決済されていない手持ちレバレッジポジションをOI(Open Interest : 未決済建玉)といいます。
ちなみに、建玉の読み方は「たてぎょく」です。
実はこのOIの増減によって仮想通貨相場の状態を把握する方法があります。
当記事では、これらOI(Open Interest : 未決済建玉)の増減の推移が仮想通貨ビットコインの価格にどう影響を与えているのか、仮想通貨・ビットコインのOIの推移の調べ方や、その動きからどのような値動きが予想されるのか、どうトレードに生かしていけばいいのか解説します。
OI(Open Interest : 未決済建玉)とは何か
未決済建玉・OI(Open Interest)とは、決済されていないロングポジションとショートポジションを言います。
OIは信用取引(デリバティブ)でおきる
取引所もしくは証券会社等などから証拠金を担保に、お金を借りて買い建てたり(ロング)、売り建てたり(ショート)する取引を「信用取引」と呼びますが、約定後に反対売買や現引き・現渡しされず残っている未決済契約の総数のことを指します。
OI増減の仕組み
積まれたOI(未決済建玉)は、主に決済(反対売買)されることで減っていきます。
ロングの未決済建玉を決済するときは「同額のショート」を出して、ショートの未決済建玉を決済するときは「同額のロング」を出すことでポジションを解消することです。
その結果、OIが減ります。
そして、OIが積まれていくということは、決済されないロングとショートのポジションがどんどん溜まるという状況を示しています。
OIの変動は相場に影響を与える
OIが積まれていくということは、価格に大きな変動が起こる可能性が高まるということです。(スロットのストック機のようなイメージかもしれません)
もし価格の変動が、大きく積まれたポジションと逆方向だった場合、清算注文が連鎖しさらに大きな値動きに発展するからです。
OI(Open Interest : 未決済建玉)を確認する方法
BitMEX/bitfinex LSチェッカーを見る
以下のキャプチャ画像のように、ロング・ショートの比率や増減、資金調達などを一覧で見ることができます。(代替サイトにdatamish等もあります)
→BitMEX LSチェッカー
bitfinexのLSチェッカーの方が建玉の数が具体的でわかりやすいです。
ロングポジションとショートポジションが何BTC溜まっているのか、その量と比率が表示されています。
そのほかにも以下のような機能があり便利です。
BitMEX LSチェッカー | BitMEXでの成行注文と資金調達率のチェック。以下で説明 |
---|---|
BTC先物LSチェッカー | CBOE、CMEといった米国先物市場でのOI(未決済建玉)情報 |
BitMEXリーダーボード | BitMEXで公開されているトレーダーランキングと彼らのポジションを見ることができます。 |
USDTアラート | USDTの発行トランザクションの増減追跡とビットコイン価格の相関を比較できます。 |
BitMEXのLSチェッカーは資金調達率の表示やロングショート比率だけ見るだけでいいかもしれない。(勢いチェッカーは成行オーダーの数だと思う)
ビットコインだけでなく、イーサリアム版 XRP版 モネロ版も同サイト内にページがあります。
ツイッターBOTによる通知を利用する
BitMEXで取り扱いのある銘柄、ビットコイン含むアルトコインすべてのOI(Open Interest : 未決済建玉)が確認できるので、仮想通貨市場全体の資金循環の考察に便利です。
Tainoko氏開発のBTC情報アラートをフォローすることで、ビットコインFX最大取引所BitMEXでの未決済建玉を一定間隔で知らせてくれるので、ツイッターのタイムラインで一覧をチェックすることができます。
このようなツイートです。見方は以下で説明します。
アカウントの固定ツイートで使い方を解説してくれていたので、それを転載させていただきます。
OI(Open Interest : 未決済建玉)の見方
①OIの増減のみで分かること
OI(未決済建玉)の増減によって以下のような傾向がまずわかります。
OIの増加 | 大口の仕込み等で、ボラティリティUP※板が厚くなりボラ低下とも取れる |
---|---|
OIの減少 | 新規ポジションが積まれるまで、ボラティリティDOWN※板の薄さからボラ増大とも取れる |
②OIの増減・LS比からわかること
ロングポジション・ショートポジションのOI(未決済建玉)の推移に増減が起こるとき、以下の3パターンが推測することができます。
OI増加時 | OI変化なし | OI減少時 |
---|---|---|
新規のロング/ショートが増加 | 新規ロング×ショート決済 (ロング決済×新規ショート) が拮抗 |
ロング/ショートの決済が増加 ※強制決済(ロスカット含む) |
新規ポジが積まれているのか、強制決済と利食いが起きているのか、LSが逆転しているのか判定しましょう。
OTC取引(例外的な動き)主にbitfinexで稀に見られる動きなのですが、値動きがないのに、ロングもしくはショートポジションの急激な減少が起こる場合があります。これは大口によるOTC取引(場外取引)による、現物渡しによって起こると言われています。
- ロングの急激な減少→利確売り圧がなくなるためその後に上昇傾向
- ショートの急激な減少→買戻し圧がなくなるためその後に下落傾向
があると言われています。(絶対ではない)
実際にロングショート比率の推移は、LSチェッカーで確認してください。
③クソポジチェッカーとOIからわかること
先ほどのOIの増減、LS比と合わせて、ポジションの分布をみることで相場状況が把握できます。
ポジションの分布をみるには、ビットコイン版クソポジ(含み損)チェッカーを併せて見て、ロング・ショートがどの価格帯で多く積まれているのか、含み益ポジション・含み損ポジションがどのくらいあるのかチェックしましょう。
クソポジチェッカーとデータを照らし合わせると、段違いに相場状況が可視化されてくるはずです。
OI(Open Interest : 未決済建玉)をFXトレードに生かす方法
上述した情報(OIの増減、LS比、クソポジ)を総合すると、以下のようなことが見えてきます。※諸説あるので真偽は自分で確かめてください。
OI増加・ロング増加・ショートクソポジ多→上昇パターン
未決済建玉が増加するので、近いうちに大きく相場が動く可能性が高まります。
その時に、ロングポジションが増加している場合(※ショートポジより多いとは限らない、増減の推移が重要)、大口トレーダーによるロングの仕込みが考えられます。
更にその時、大量の含み損を抱えたショートポジション(クソポジ)が溜まっていれば尚いいです。
大口トレーダーが相場上昇の仕掛けをした場合、ショートクソポジのロスカットを巻き込んでより大きく高騰させることができるからです。
OI増加・ショート増加・ロングクソポジ多→下落パターン
未決済建玉の増加に合わせてショートポジションが増加している場合(※ロングポジより多いとは限らない、増減の推移が重要)、大口トレーダーによるショートの仕込みが考えられます。
更にその時、大量の含み損を抱えたロングポジション(クソポジ)が溜まっていればアツい。
大口トレーダーが相場下落の仕掛けをした場合、ロングクソポジのロスカットを巻き込んだ方が大きく暴落させることができるからです。
BitMEXの出来高と建玉の割合から仕込みをみる
BitMEXのビットコイン取引量に対して、建玉の増減がどれだけ多いか、という視点もOi分析において有効であると言われています。
例えば、出来高総量に対して未決済建玉が増加→ボラティリティ(値動き)活性化、とみることが出来ます。
私のみた感じでは、未決済建玉が減少した時は必ずしもこの法則に当てはまりませんが、急な増加が起こった時には大きな値幅が観測できました。
BitMEXの出来高と建玉の割合をチェックするには、先にも紹介しましたツイッターBOT「BTC情報アラート」が便利です。
OTC取引による現物渡しによるSL変化
先にも紹介しましたが、主にbitfinexで稀に値動きがないのに、ロングもしくはショートポジションの急激な減少が起こる場合があります。
これは大口によるOTC取引(場外取引)による、現物渡しによって起こると言われています。
このような数万BTC規模の異常な減り方が確認できた数時間後に以下のような値動きが起こる傾向にあります。
- ロングの急激な減少→利確売り圧がなくなるためその後に上昇傾向
- ショートの急激な減少→買戻し圧がなくなるためその後に下落傾向
※絶対に起こるというわけではないです。
まとめ
OI(Open Interest : 未決済建玉)が仮想通貨ビットコイン価格に与える影響と、FXトレードに生かす方法を考察してまとめました。
少し複雑な話になってしまいましたが、どちらにエントリーをするという以前に、今の相場状況はどのようになっているのか?という相場観を理解することにとても役立ちます。
トレードに生かすOIを使った考察方法も紹介したので、是非参考にして、ご自身のトレード根拠の考えに組み込んでみてください。
私は毎回、この記事のように型にはめたパターンでエントリーしているわけではないです。少しでも違和感を感じ取ればノーポジで静観しますし、「いける!」と思えば逆に張ることもあります。
大切なのはこのような指標を知っておくことで状況判断の材料が増え、仮想通貨ビットコインFXのトレードを優位性をもって望むことができるということです。
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