今回は響きがかっこいいテクニカルチャートパターン「ウォルフ波動(ウルフウェーブ)」をご紹介します。
初めてウォルフ波動を知った当時は「本当にそれ機能するんかいな」くらいの知識でしたが、実際に定義を調べチャートを見てみると、ウォルフ波動が成立した際のトレードは利幅が非常に大きいので、知っておくと実際のトレードでかなり役に立ちます。
利確ポイントもシンプルで使いやすいので是非読んで覚えてください。
ウォルフ波動(wolfe waves)の原理と基本
ウォルフ波動(wolfe waves)理論の考案者はS&P500トレードを長年やっているビル・ウォルフ(Bill Wolfe)氏と息子のブライアン・ウォルフ(Brian Wolfe)氏。
物理学のニュートンの第1法則「作用反作用の法則(全ての作用には反作用がある)」に基づいているらしいです。
ウォルフ波動は、はっきりした上昇(下落)トレンド時に現れる逆張りの手法です。
ウォルフ波動=ウェッジパターンで覚える
ウォルフ波動とは、チャートパターンである下降ウェッジと上昇ウェッジをより定義づけたものです。
ウォルフ波動は5つの波動からなるパターン形成で、最初の第1~4波でウェッジを形成し、最後の第5波からこのウェッジを抜けていきます。
ウォルフ波動のエントリー/利確ポイント
ウォルフ波動のエントリー・利確ポイントは覚えやすいです。
ウォルフ波動の利確ポイントを決める
このとき下図のように、ウェッジ上のポイント1とポイント4の間に線を描き、第5波のブレークアウトの方向にこれを延長することによって第5波が到達する長さ(利確ポイント6)を計算できます。
これが利益確定のターゲットラインとして機能します。
ウォルフ波動のエントリーポイントはゾーン
ポイント5が通常エントリーポイントとなりますが、必ずしもこの形に当てはまるわけではないので臨機応変に考えます。
はっきりしたトレンドが発生している時に、このウォルフ波動が明確に表れることが多いです。
ウォルフ波動理論のメリット・デメリット
ウォルフ波動のメリット・利点
- エントリーポイント、利食いポイントが明確
- トレンドの天井・天底を捉える事が出来るもの
- 成立した際の利益値幅が多い
- 1時間足や4時間足で成立すれば、10万円幅も狙える(ビットコインFX)
ウォルフ波動のデメリット・欠点
- ウェッジやチャネル形成中によく発生する波動なので見つけにくい
この画像のチャートなんか発見しづらそうです。
ウォルフ波動が機能したチャート例
ウォルフ波動が印象に残っているチャート例を挙げていきます。
ビットコイン日足、2020年初旬
以下は2020年一月にウォルフ波動の利確ポイントまで綺麗にキマったときのやつです。
イギリスEU離脱の国民投票時のポン円が暴落した時の下ヒゲ
約2500pipsの大暴落の止まった位置にピッタリ合致していました。最初のウォルフ波動のラインも機能しています。キレイに描けるウォルフ波動のラインは後々も効いて重要なラインになってくるので残しておくと良いと思います。
実際にパッとチャートを見て条件が成立しているチャートをいきなり見つけるのは結構難しいです。
下降ウェッジを形成後に、ウォルフ波動成立で上昇するパターンが多い気がするので、まずは下降ウェッジ・上昇ウェッジを探すのが見つけやすい方法だと思います。
というかウォルフ波動はもはやウェッジです。
ウェッジとウォルフ波動はセットで覚えるべきです。
ウォルフ波動を描画するチャートツールの引き方
多くのトレーダーに愛用されているTradingViewのチャートツールの中に、ウォルフ波動を見つけるのに役立つツールがあるので使い方をご紹介します。
三角パターン(トライアングル)パターンを使う
左サイドバー中にある「チャートパターン」内にある「三角パターン(トライアングルパターン)」というのがあります。ウォルフ波動はこの描画ツールで描きます。
使っても使わなくてもどっちでもいいけど、使った方がかっこいい。
三角持ち合いを探し打て三角で囲んでみる
ウォルフ波動が形成されていそうな三角持ち合いを探してチャートに描画できます。
A・B・C・Dの4点をクリックすると、それらをつないだ三角持ち合いを自動で補正表示してくれるので、どこがブレイクポイントになるか明確になります。
ウォルフ波動を効率よく見つけるコツ
チャートがキレイな上昇/下落トレンドを描いている時に特に注目してみましょう。
ウォルフ波動を見つける4つのポイントを挙げます。
-
- 上昇or下落トレンドが起きているチャートを探す
- その中でウェッジ(三角持合い)もしくはフラッグ/チャネルを探す
- トレンドラインを引いて、その対となるライン(チャネル)の角度がゆるくなっていたらウォルフを疑う
- ウォルフ波動の条件を満たすジグザグパターンを探す
この手順で探していくと、効率よくウォルフ波動を見つけることができると思います。
ウォルフは、1分足でも見つけることができますが、より信頼性の高いのは日足や週足などの上位足で発生した時はアツいです!
ボラティリティがありトレンドがはっきり表れているチャートで探してみると発見しやすいので、過去のビットコインチャートなどで是非探してみてくださいね。
ウォルフ波動を使ったトレード方法
ウォルフ波動のチャートパターンが完成したからといって、先の画像のようにすぐに目標値を目指す動きになるとは限らず、紆余曲折を経て到達する場合も多いです。
はっきりした上昇トレンド、下降トレンドで現れる逆張りのトレードとなるので、しっかりトレンド転換のシグナルを待って、ウォルフ波動の利益確定ポイントへ方向が合致してからエントリーするようにしましょう。
ウォルフ波動のエントリーポイント
第4波は、第5波で大きく逆方向に動く前に、1から3までのトレンドラインの延長線を超える可能性があります。しかしこの地点が、目標利益ライン(ポイント6)へのトレードでの理想的なエントリーポイントと言われています。
実際にエントリーするのはポイント5でいいと思います。
スイートゾーン(Sweet zone)というウォルフ波動の最良のエントリーポイントと呼ばれるゾーンがあります。2~4線を、3から平行に引いた線です。
ウォルフ波動の損切りポイント
直近安価・高値(ポイント5)を更新した時が損切りポイントとなります。
1~3のトレンドラインを5で少し割ってから6を目指す可能性もあるので、ストップは少し余裕をもった値幅で入れましょう。
ウォルフ波動の利確ポイント
ポイント1から4に引いた線とポイント5の交点、つまりウォルフポイント6が利確地点となります。わかりやすいですね。
応用:ウォルフ波動には反転パターンもある
ウォルフ波動は「全ての作用には反作用がある」と言う理論なので反転パターンもあるらしいです。
たしかに成立しているように見えますね。
要は、トレンドがはっきりしている時のトレンド反転パターンなので、そろそろトレンドが終わるんじゃないか?と思った時の天井・天底を探すときに役立ちそうです。
また、よく見るとヘッドアンドショルダー(逆三尊)も同時に形成しているので、他のチャートパターンとの根拠の積み重ねも大事です!
ウォルフ波動使い方の注意点
残念ながら、ウォルフ波動だけでは確度が低いのでエントリーの根拠にすることはオススメしません。
他のインジケーターも併用する
RSIやMACDとかのオシレーター系指標をつかって、逆行現象(ダイバージェンス)を一緒に確認できれば結構使えるトレード手法だと思います。
この形はダブルトップだから反転して下がるはず!とか思っていても、移動平均線が上昇サインを示していたり他のインジケーターの根拠が足りない時には様子見、というのもトレードです
利確の目安のみで使うのもアリ
ただ、利食いのポイントを決めるためにウォルフポイント(ポイント6)を使うのはそれ単体でも十分機能するので効果が高いです。
ここからどこまで落ちるのか?といった時にウォルフのターゲットラインを表示させておけばポイントに迷うことがないでしょう。
ウォルフ波動のよくある質問
ウォルフ波動の描画ツールは何がいいですか?
ウォルフ波動パターンの描画には、私がTradingViewの描画ツール「トライアングルパターン」を使っています。使い方は「ウォルフ波動を描画するチャートツールの引き方」を参考にしてください。
ウォルフ波動だけでトレードは可能ですか
ウォルフ波動パターンは、利確ポイントを推測するには適していますが、エントリーポイントでの攻防はヘッドアンドショルダー成立も意識されることもあり、チャートがどちらに動くか見極めが難しいです。複数の指標を組み合わせて使うことをオススメします。
ウォルフ波動に適した時間足はありますか?
特に4時間足や日足など長い時間足でウォルフ波動が出現した場合は、得られる値幅の期待値が大きいのでおすすめします。
ウォルフ波動のまとめ
ビットコインFXでも威力を発揮するテクニカルチャートパターン、ウォルフ波動について解説してみましたがいかがでしたか?
ウォルフ波動の成立はあまりないと思われがちですが、ビットコインに限らずあらゆる銘柄で多く当てはまり、ウォルフポイントまでチャートが達している事が多いです。
チャートで綺麗なトレンドを描いている時に探してみて下さい。切り上げ、切り下げが甘くなってきたらウォルフ波動完成のチャンスです。
根拠がそれのみのFXトレードでは怖いですが、目安に使えるので汎用性は高いです。
チャートパターンを覚えておけば要所でのトレード(特に上昇下降ウェッジやチャネル)では非常に効率的なトレードができるものだと感じました。
特に4時間足や日足など長い時間足でウォルフ波動が出現した場合は得られる値幅の期待値が非常に大きいため、大きく勝負にでるチャンスにもなります。
是非身につけて勝率の高いトレードをしていきましょう!
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