為替やビットコインの信用取引でも役に立つ有名なテクニカル指標ストキャスティクスの使い方について解説していきます。
ストキャスティクスといえば、切れ味鋭い便利なオシレーター系の指標として世界中のトレーダーに愛用されています。
オシレーター系指標ではRSIと並ぶ最もメジャーなテクニカル指標の一つです。
RSIとストキャスティクスの使い方は似ていますが、ストキャスティクスでしか把握できない見方や使い方があります。
ストキャスティクスとRSIの違いを知ることでチャンスを一早くつかむことができます。
ストキャスティクスの凄さをなるべく初心者の方でも理解できるようにまとめました。
ストキャスティクスとは?
ストキャスティクスは直近の価格の終値が、一定期間内の最高値と最安値の中で、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を表すオシレーター系テクニカル指標です。
歴史はRSIよりも少し古く、考案されたのは1950年代です。
ストキャスティクスは2本(または3本)のラインで表されます。
多くの場合は「%D(赤色ライン)」と「%K(青色ライン)」の二本で表示されています。
%Kは、一定期間における最高値から最安値までの範囲の中で、直近の終値がどの位置にあるかを見る指標です。
%Dは、%Kを移動平均化し動きを平滑化した指標です。
(※%Dを一定期間(一般的に3日間)平均化したSLOW%Dというのもあります。)
直近価格の終値を重視していることが、RSIとの大きな違いとなります。
0~100の数値で表示され、最も一般的なシグナルとして以下が目安となります。
- 20%又は30%以下は「売られ過ぎ」→買いシグナル
- 80%又は70%以上は「買われ過ぎ」→売りシグナル
ただ、ストキャスティクスには複数の使い方があり、また振幅が激しく頻繁に20以下や80以上の値になることで知られています。なのでエントリーポイントとしての判断材料としてストキャスティクスだけでは弱いかもしれません。
分足などの短い時間足では信頼度が低いので、4時間足や日足などの長めの時間足で見ることをお勧めします。
ストキャスティクスの基本と使い方
ストキャスティクスの基本の使い方としては、
- 20%又は30%以下は「売られ過ぎ」→買いシグナル
- 80%又は70%以上は「買われ過ぎ」→売りシグナル
と見ることができるので、80を超えていれば「売りサイン」
20を下回っていれば「買いサイン」となります。
BitMEXでは「%K(青色ライン)」と「%D(赤色ライン)」の二本のうち、重要なのが%D(赤色ライン)の方の値です。
%D(赤色ライン)が80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎと判断します。
ただ、ストキャスティクスの売買サインは他にもあります。
買いシグナル
- %Kと%Dが、20%もしくは30%以下で売られすぎゾーンの場合
- 20%を割った後、下から上抜ける時(ゴールデンクロス)
- 価格が安値更新時、%Kや%Dが前回の安値を下回らない場合(ダイバージェンス)
売りシグナル
- %Kと%Dが、80%もしくは70%以上で買われすぎゾーンの場合
- 80%を上回った後、上から下抜ける時(デッドクロス)
- 価格が高値更新時、%Kや%Dが前回の高値を上回らない場合(ダイバージェンス)
ストキャスティクスのダブルトップとダブルボトム
また、%D(赤色ライン)が80%以上の位置でダブルトップを形成した場合は「売り」、
20%以下の位置でダブルボトムを形成した場合は「買い」のサインとしても見る事もできますが、ダマシも多いですね。
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロス
更に、%K(青色ライン)を%D(赤色ライン)が下から上へ抜けた時はゴールデンクロスとなり買いサインを示し、20%以下の売られ過ぎゾーンでゴールデンクロスが発生した時には信頼度が高いです。
逆に、上から下に抜けた時はデッドクロスとなり売りサインを示し、80%以上の買われ過ぎゾーンでデッドクロスが発生した時には同じく信頼度が高くなります。
レンジ相場のストキャスティクストレード方法
ストキャスティクスが最も有効に機能するのはレンジ相場・ボックス相場です。
ストキャスティクスは敏感に反応するオシーター系のテクニカル指標なので、過去のチャートを見ると確認できますが、レンジ相場で特に有効なシグナルとして機能していることがわかります。
チャートの値動きが落ち着いているレンジ相場でこそストキャスティクスを使っていきましょう。
例えば、長い時間足で値動きの幅が少なく、直近の高値・安値がサポート・レジスタンスラインとして意識されている相場では、5分足や15分足のストキャスティクスが使いやすいです。
トレンド相場のストキャスティクストレード方法
ストキャスティクスをはじめ、MACDなどオシレーター系指標全般に言えることですが、強いトレンドがある相場ではシグナルが頻発して使いづらいことが弱点です。
レンジ相場・ボックス相場では、単純に「%D」の位置が20以下80以上かだけで売買を行っても勝率が高い可能性がありますが、下落トレンド・上昇トレンド真っ只中のトレンド相場ではストキャスティクスは上手く機能しません。
ストキャスティクスは最高値と最安値という2点にのみ注目して計算されているので、大きな値動きの中では反応しすぎてしまうのです。
トレンド相場のストキャスティクスは押し目シグナル
ストキャスティクスをトレンド相場で使うには、見方を替える必要があります。
以下に、トレンド相場でのストキャスティクスの使い方を説明します。
- トレンド相場のストキャスティクスの売り・買いサインは無視。
- 急激な値動き後の「押し目」でのストキャスティクス「%D」の買いサインのみを使う。
つまりトレンド相場では、トレンド方向で「押し目買い・逆張り」のサインとして使用します。
ストキャスティクスのダイバージェンス(逆行現象)
ビットコインチャートが新高値や新安値を付けたにもかかわらず、ストキャスティックスは、逆の値動きで高値や安値の更新を確認できなかった時、
またはBTCチャートは高値を更新できていないのに、ストキャスティクスは高値を更新しているなど、逆行現象が起きている状態を「ダイバージェンス」と呼びます。
ダイバージェンスパターンは、トレンド転換(天井や大底)が発生する可能性が高いことを示唆しています。
ダイバージェンスが発生した時は「逆張りのエントリーポイント」と判断することができますが、トレンドがはっきりしないときには急変動警戒シグナルとなります。
ダイバージェンスが発生したときにポジションを持っていたとしたら、方向感がわからないと場合は迷わず決済オーダーやストップ注文を出すようにしましょう。
TradingViewでストキャスティクスを表示する方法
bybitのトレード画面に表示されているTradingViewチャートのグラフアイコン「インジケーター」をクリックしましょう。
検索窓に「ストキャスティクス」と入力するとストキャスティクスが出てきます。
ストキャスティクスがサブチャートに追加されました。
ストキャスティクスの数値を調整したい場合は、チャートの左上の「stoch」→「フォーマット」をクリックしてください。
ストキャスティクスの使用期間は、9日間が一般的ですが、チャートの効き具合を見て短くしたり、長くしたり調整します。
(例:日足9日25日、週足9週13週)
ストキャスティクスを消したい時は、チャートの左上の「stoch」から削除の項目が選択できます。
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ストキャスティクスのまとめ
ストキャスティクスを使ったビットコインFXトレード、ダイバージェンスのWトップ・ボトムなどについても記事をまとめてみました。
ストキャスティクスはレンジ相場でのオシレーター的な指標としても優秀ですが、ゴールデンクロス・デッドクロス・ダイバージェンスなど、多様な売買シグナルを発してくれる便利なテクニカル指標であることがお分かりいただけたかと思います。
他のテクニカルツールを使ったトレード方法もご紹介してますので、ボリンジャーバンドなど他のテクニカルと併用して自分にあったトレード戦術を探してみてくださいね!
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