ビットコインFXで日々トレード研究をしている仙人です。
今日は、大和魂が宿る日本発祥のトレード手法をご紹介していきます。
その名も、酒田五法(さかたごほう)。
ロウソク足の考案者でもある江戸時代の相場師、本間宗久が作った日本最古のトレード手法です。
数百年経っても形骸化しておらず多くの日本のプロトレーダーに参考にされ使われています、すごいですよね。
しかもパターンの名前がカッコイイ。
「三川明けの明星(さんせんあけのみょうじょう)」とか「三空叩き込み(さんくうたたきこみ)」「三羽烏(さんばがらす)」など、某忍者漫画の必殺技のようです。
覚えておいて損はない、メイドインジャパンのテクニカル手法、酒田五法を余すことなく解説します。
酒田五法とはローソク足分析の先駆け
酒田五法(さかたごほう)または酒田罫線は、江戸時代の大阪・堂島や江戸・蔵前の米(コメ)相場で活躍した天才相場師、本間宗久 – ほんだそうきゅう(1724–1803)によって編み出された相場のローソク足分析法です。
「酒田照る照る、堂島くもる、江戸の蔵前雨が降る」「出羽の天狗」など俗謡が残っているほど有名でした。
本間宗久は、現在の山形県酒田市周辺(出羽国)の大地主であったことから、彼のローソク足の並びパターンを基本としたチャート分析を酒田五法といいます。原書「酒田五法」は現存していないとのこと。
世界で「キャンドルチャート」として浸透しているローソク足チャートの生みの親と言われています。
現代でいうプライスアクションに近いですね。
ビットコインFXでも酒田五法は有用
例えは、上昇相場の場合、「三川」でトレンドの転換があり、「三兵」で上昇の初期段階を確認し、「三法」と「三空」をくり返して「三山」で天井を付ける、といったような流れになり、「酒田五法」は、この5つのパターンを組み合わせた相場の判断法です。
どれだけ文明が発展しても、江戸時代から人の心理は変わっていないんですね。
他にも日本人が開発した有名なテクニカル指標に一目均衡表があります。
酒田五法の基本は5パターンの組み合わせ
酒田五法は、以下の5つの基本チャートパターンの組み合わせによって売り場、買い場を読みます。
- 「三山(さんざん)」
- 「三川(さんせい)」
- 「三空(さんくう)」
- 「三兵(さんぺい)」
- 「三法(さんぽう)」
だから酒田五法というのですね。
一度覚えれば使い方は難しくないので、今日からすぐに活かすことができます。
これらの基本パターンは、チャートのフォーメーション分析やプライスアクショントレードなど様々なテクニカル分析の土台になっています。
日本人は大昔から米相場をチャート分析したり、現代ではFXも盛んですね。
本来日本人は相場や投資が大好きな国民性なのです。
以下の章で、三山・三川・三空・三兵・三法の五法について見ていきましょう。
酒田五法の基本① 三山(さんざん)
「三山とは、大天井の大型を表す線。底値より波乱を繰り返しながら上進して下押す、この運動を三度繰り返して大天井を打つものならば・・・」
三山(さんざん)は上昇相場の天井を表す売りサインです。
相場が天井や大底でトレンドが反転するときによく出るローソク足のパターンで、「三山」「三尊天井(さんぞん)」「逆三尊」が有名です。「赤三山」などもあります。
三山…3回突破できなかった高値はもう突破できないだろうという天井パターンです。トリプルトップですね。
三尊/逆三尊…3つの山の真ん中が一番高いパターンを特に三尊(さんぞん)といいます。ヘッドアンドショルダーですね。
3つの山を結んだ線を天井(でんじょう)といい、売りサインになります。
2つの山でも天井になる確率は高い、という考え方は広く世界に知られています。(ダブルトップ)
ダブルトップの状態になった時点で上昇トレンドが終わることも多いのですが、3度目のチャレンジでも高値を越えることができなければ、より高い確率でトレンド転換が起こると考えます。
関連記事 ダブルトップとダブルボトムのエントリー利確ポイントやダマシ回避方法を解説
酒田五法の基本② 三川(さんせん)
「三川は三山の反対にして、底値にて突っ込みては戻すという運動を繰り返すをいう。
大底の意にして大体数ヶ月下落して起こる現象なり」
三川(さんせん)は、三山の逆バージョンで買いサインとなります。ローソク足の川(せん)に注目した分析という説もあります。
「三川明けの明星」「三川宵の明星」が代表的。ほかにも、「両つつみ線」「両はらみ線」「二本たくり星」などあります。
三山の逆で逆三山(ぎゃくさんざん)ともいいます。
3回突破できなかった安値は、もう突破できないだろうというパターンです。(トリプルボトム)
3つの安値を谷と考え、谷には川が流れているので、三川といいます。
3つの谷の真ん中の谷が一番低いパターンを特に逆三尊(ぎゃくさんぞん)といい、強い買いサインとなります。ヘッドアンドショルダーボトムですね。
3つの谷を結んだ線を底(そこ)といいます。
2つの谷でも底になる確率は高い、という考え方は広く世界に知られています(ダブルボトム)が、2つの谷より3つの谷の方が確度が高いと考えます。
関連記事 ビットコインFXで三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)を最大限に使う方法
三川明けの明星・三川宵の明星
三山・三川ともに、3つの山(もしくは谷)を表す酒田五法ですが、三川は特に3本のローソク足によってシグナルを読む方法です。
その代表的なパターンに「三川明けの明星(買いサイン)」、「三川宵の明星(売りサイン)」があります。
三川明けの明星
下落トレンドからの反転を示す「三川」のパターン。
「大きな下落→下落幅が縮まる→大きな上昇」というパターンが三川明けの明星で、買いサインと判断します。
三川宵の明星
上昇トレンドからの反落を示す「三川」のパターン。
三川明けの明星と反対で「大きな上昇→上昇幅が鈍化→大きな下落」パターンを三川宵の明星と呼び、売りサインと判断します。
酒田五法の基本③ 三空(さんくう)
三空とは相場相当上進、益々人気旺盛にして遂に空間を生じて上放れ三回連続するを云う。
この場合、三度目の放れ線に被せ線が次に出現か、又は寄せ線が出ずれば大天井なり。而して三空に複線と単線あり。
三空(さんくう)は上がりすぎ・下がりすぎを示すサインです。
空(窓、ギャップアップ・ギャップダウンとも言います)に焦点を当てたパターン分析です。
三空とはローソク足に連続して3つの空(窓)ができる状態で、何らかの理由で相場が急激に動いたとき発生します。
※陽線・陰線が混在してOK
3回続けば値動きは行き過ぎであり、逆張りサインと見ることが出来ます。
相場の高値圏で、4本の陽線と3つの上方向の空が連続するパターンを、三空踏み上げ(さんくうふみあげ)といいます。
上げ相場では「三空踏み上げには売り向かえ」と伝えられています。
安値圏で、4本の陰線と3つの下方向の空が連続するパターンを、三空叩き込み(さんくうたたきこみ)といいます。
酒田五法の基本④ 三兵(さんぺい)
三兵とは上進開始の表徴にて、永く保ち合いたる市況が小短線にて陽線三本を連続して幾分づつ上位に進み表示するものにて 大上げの前兆としるべし。
連続する3本の陽線(陰線)のことを三兵といい、順張りのサインとして見ます。
相場の安値圏で、3本の連続した陽線が出るパターンを赤三兵(あかさんぺい)といいます。
強い相場についていく順張りの買いシグナルですね。
相場の高値圏で、3つの連続した陰線が出るパターンを黒三兵(くろさんぺい)といいます。
陰線の黒色を烏(からす)に例えて、三羽烏(さんばがらす)ということもあります。
下落の不吉さを烏に例えた呼び名です。
弱い相場についていく順張りの売りシグナルですね。
ローソク足のヒゲの付き方によっては確度が落ちます。
代表的な上昇失敗パターンを赤三兵の先詰まり(あかさんぺいのさきづまり)といいます。
酒田五法の基本⑤ 三法(さんぽう)
三法(さんぽう)は押し目からエントリーする順張りの売買シグナルとして判断する方法です。
三法は、レンジ相場では取引を休み、レンジブレイクしたら動いた方向にエントリーするという順張りのパターン分析です。今でいう、ブレイクアウト戦略ですね。
チャートは赤三兵のように連続陽線で上昇することもありますが、大抵は高値を更新しては押し目を作るという波を描きます。
上げ三法
手前の三連続陰線を抜く大きな陽線の出現は利食いの売り一巡とみて、翌日高寄りしたら買いサインとなります。
上げ三法は上昇相場で大陽線が出た後、短い足を3本(中間線)をはさんだレンジ相場からまた大陽線でレンジグレイクする形です。
下げ三法
手前の三連続陰線を下抜く陰線が出現したらショートカバー一巡とみて売り増しサインとなります。
下落相場で下にブレイクするパターンが下げ三法です。
酒田五法の買いサイン一覧(底値圏)
安値圏、底値圏で現れる逆張りシグナルをまとめました。
陰の陰はらみ
陰の陰はらみとは、大陰線の翌日に出た陰線が、前日の大陰線の中に納まるような形(はらみ線)になる事です。
底値圏で大陰線とはらみ陰線が連続して現れた次の日、安値寄りでも前日の陰線を包み込むような陽線になったり、上放れした陽線となった場合は、トレンド転換点となる可能性が高いです。
逆のパターンは天井圏で現れる陽の陽はらみで、売りサインとなります。
陰の陽はらみ(底値)
陰の陽はらみとは、大陰線の翌日に出た陽線が、前日の大陰線の中に納まるような形(はらみ線)になる事です。
下落相場において、大陰線に続いて、その陰線に包み込まれるような陽線が出た翌日、上寄りの陽線となれば、トレンド転換する可能性が高くなります。
逆のパターンは天井圏で現れる陽の陰はらみで、売りサインとなります。
抱き線・包み線(底値)
抱き線(つつみ線)とは、前日のローソク足を包み込むような形です。
高値の抱き線は天井、安値の抱き線は底と言われます。
底値圏で現れる場合は、陰線の翌日に大陽線の抱き線が出現することが多いと言われています。
逆のパターンは天井圏で現れる抱き線で、売りサインとなります。
最後の抱き線・包み線(下降トレンド)
下落相場で陽線が出現した翌日に大陰線が出る形は、大陰線で安値を更新している状態となる為、大陰線が大底となりトレンド転換することも多いです。
出来高も増える傾向にあります。
逆のパターンは天井圏で現れる最後の抱き線で、売りサインとなります。
たくり線
たくり線とは下落相場において安く寄り付き長い下ひげとなった陰線のことです。
前日の流れを汲んで安く寄り付き、その後大きく値を下げるが、急反発して大きく盛り返した形です。
深い井戸に落ち込んだ桶をたくり上げる動作からきています。
陽線五本(下位)
陽線五本とは、5日連続で陽線が出ているチャートのことで、5本の陽線が横ばいである事を指します。
下落相場の底値圏において、陽線が5本連続するという事は、相場は上に行きたがっているものの、なお売り方の圧力が強い状態です。
値は上げられないが、買い方がじわじわ反撃に転じ出したと考える事ができます。
逆のパターンは天井圏で現れるの陰線五本で、売りサインとなります。
三手大黒線
三手大黒線とは、下落相場で、窓を空けないで、3本の大陰線が並んだ形の事です。
翌日に陽線が出るようなら、売りも枯れ買い方の反撃が始まったとみる事ができます。
酒田五法では三手連続で陰線や陽線となると転換の節目と考える事が多いです。
捨て子線(下降相場)
捨て子線とは、十字線が宙に浮いたような状態で、前後の足と離れているチャートのことです。「捨て子は見に来る」とも言い、 このギャップを埋めにくることも多いです。(窓埋め)
下落相場の途中で大陰線が出て、次に放れた十字線が出現します。その翌日に上放れした陽線が出たら、トレンド転換のサインとなることが多いです。
逆のパターンは天井圏で現れる捨て子線で、売りサインとなります。
鍋底
鍋底(なべぞこ)とは、価格が低迷したまま長期間もみ合いの状態が続き、上放れた陽線が出た形のチャートのことです。
相場が長く低迷すると、鍋の底のような形になる事からそう言われています。
底値圏で何度もレンジ相場を繰り返すこともあり、下値を切り上げだして相当の期間たった後に、上放れして寄り付いた所が転換点となることが多いです。
逆のパターンは、高値圏で現れる団子天井で売りサインとなります。
放れ五手黒一本底
放れ五手黒一本底とは、窓を開けて下落した後にジリジリと陰陽交互にもみ合った後、大陰線が出た状態のチャートの事です。
下降相場でもみ合い、相場はさらに下落しますが、五手目くらいに出来高を伴って大陰線が出現すれば、大体の底は打った可能性が高いと見ます。
放れ七手の変化底
放れ七手の変化底とは、窓を開けて下落した後に安値圏でもみ合い、上放れた陽線が出た状態のチャートのことです。
七手という名前が付いていますが、七日はあくまで目安です。
下落相場の中、大きく下放れてさらに下落し、その後はもみ合いが続きます。
その後、高値寄り付きの大陽線が出現すれば目先の底は打ったと考えられます。
直近の窓を埋めるまでは上がる可能性が高いと言えます。
連続下げ三手放れ三ツ星
連続下げ三手放れミツ星とは、窓を開けて下落した後に、3本の短い陰線が続き、その後十字線から大陽線へと発展したチャートのことです。
下落相場のなか、下放れして3本の短い陰線が連続すれば、底入れの兆候と考えられます。
投資家の迷いが十字線となって現れその翌日、大陽線となった場合、上昇転換の可能性が極めて高いと言えます。
酒田五法の買いサイン一覧(上昇トレンド時)
上昇トレンドで現れる順張りのシグナルをまとめました。
二ツ星・三ツ星(上昇相場)
二ツ星・三ツ星とは、ごく短い線が2つ、3つ連続することです。その形からコマとも呼ばれます。
この状態は、上昇相場でも下降相場でも流れの分岐点だと言われていますが、二ツ星・三ツ星の後に、上放れて陽線が出れば、更なる上昇への足がかりとなります。
逆のパターンは下降トレンドで現れる二ツ星・三ツ星で、売りサインとなります。
押え込み線
押え込み線とは、上放れた後に陰線が3本連続し、その後直前の陰線を上抜くか上放れした陽線が出たチャートのことです。陰線の数は2本や4本の場合もあります。
陰線を上抜いた陽線が出現したら買いサインとなります。
差し込み線(上昇相場)
差し込み線とは、陰線に続いて現れた陽線のことで、前日の終値より安寄りして、前日の実線内で終わる形を指します。
安寄りしたものの、すぐに上昇して前日の実線内で引ける陽線は、上昇相場がまだ続いている事を示唆します。
利確などで一度下落に転じたものの、すぐに買い方が反撃に出始めた可能性が高いと言えます。
上値遊び
上値遊びとは、大陽線で上昇した後に5~10日ほどもみ合い、その後放たれ線の陽線が現れたチャートのことです。
もみ合った後、下に放れることもあるので、もみ合いから上放れした地点が買いサインとなります。
逆のパターンは下降トレンドで現れる下値遊びで、売りサインとなります。
上放れタスキ
上放れタスキとは、窓を開けて上昇した陽線が出現し、翌日に窓を開けずに安寄りした陰線が現れたチャートのことです。
上放れた後、反対方向にタスキをかけるように見えることから、この名前がついています。
陰線が出現したのは、一時的な休憩と考え、この形が出ると、上昇に向かって加速する可能性が高くなります。窓を閉めてから上昇するパターンもあります。
逆のパターンは下降トレンドで現れる下放れタスキで、売りサインとなります。
上放れの並び赤
上放れの並び赤とは、窓を開けて陽線が出現し、翌日もほぼ同じ長さの陽線が並んでいる状態のチャートのことです。
上昇相場でジリ高の局面から上放れて、ほぼ同等の長さの陽線が2本並んだのがこの形です。
陽線が並んだ翌日に、上寄りすれば、更なる上昇の前兆となります。
逆のパターンは下降トレンドで現れる下放れの並び赤で、売りサインとなります。
かぶせ線の上抜き
かぶせ線の上抜きとは、大陽線の後にかぶせの大陰線が出現し、その後少しもみ合った後に、前回の高値を上抜く大陽線が現れた状チャートのことです。
何日かもみ合う形となり、突如高寄りして、前回の高値を超えてくるような大陽線が現れたらトレンド継続です。
小幅上放れ黒線
小幅上放れ黒線とは、小幅のもみ合いが続き、その後窓を開けて陰線が出現した状態のチャートのことです。
上放れした足が陰線になったものの、もみ合いでパワーをためた状態です。
酒田五法の売りサイン一覧(天井圏)
高値圏、天井圏で現れる逆張りのシグナルをまとめました。
首吊り線
首吊り線とは、長い下ヒゲをつけて陽線となったローソク足のことです。下ヒゲが実体の3倍以上あるものが首吊り線と言われています。
上放れて寄り付いたのは良いのですが、買い方の利食い売りが殺到して、大きく下押しします。その後、押し目待ちなどの買いが一斉に入って、値を戻し高値引けで終わった形です。
まだ上昇エネルギーは残っているように見えますが、翌日は軟調になる場合が多いです。
団子天井
団子天井とは、高値圏で短い足が何本も続いた後に窓を開けて下放れた陰線が出現した状態のチャートのことです。
逆のパターンは底値圏で現れる鍋底で、買いサインとなります。
捨て子線(高値圏)
相場が加熱しているような高値圏で、上に窓を空けて十字線が出現し、その翌日は下に窓を空けて陰線が出現する形です。
上昇エネルギーが最後に燃え尽きたようなもので、売り圧力が高まった典型的な転換のサインと考えられます。大暴落の前兆でもあるとも言えます。
陽の陰はらみ(高値圏)
陽の陰はらみとは、大陽線の翌日に出た陰線が、前日の大陽線の中に納まるような形(はらみ線)になる事です。
翌日も下寄りするようなら売りの転換点と見る事ができます。
逆のパターンは底値圏で現れる陰の陽はらみで、買いサインとなります。
陽の陽はらみ
陽の陽はらみとは、大陽線の翌日に出た陽線が、前日の大陽線の中に納まるような形(はらみ線)になる事です。
まだ買いの勢力は持続しているとも考えられますが、上値を抜けなかったという事は、買いのエネルギーがなくなってきている証拠です。
逆のパターンは底値圏で現れる陰の陰はらみで、買いサインとなります。
波高い線
波高い線とは、上下に長いヒゲが出て実体が短くなっているローソクが現れたチャートです。
「波高い」とは乱高下の激しい波乱相場のことを表しています。
この状態は買いと売りの勢力が拮抗して、互いに疲れて終わった形と言えます。翌日放れた方向に向かう可能性が考えられます。
陰線五本(高値圏)
陰線五本とは、5日連続で陰線が出ているチャートのことで横ばいを指しますが、天井圏で陰線が5本続くということは、買い圧力が弱まり、下げ始めた所で、最後に買い方が総投げする可能性が高いと言えます。
逆のパターンは底値圏で現れる陽線五本で、買いサインとなります。
寄り切り線
寄付値を最高として下げた陰の寄付坊主(下カゲ長大陰線)が相場の天井圏で出た場合は売りサインとなります。※包み線である必要はない
ただし、大相場に化ける場合はこの陰線の高値を抜いてくるので、この高値をストップロスに設定しドテン買いポイントとみます。
安値圏でこの逆のパターンの陽の寄り付坊主が出た場合は底打ちの買い。
抱き線・包み線(高値圏)
上昇相場において、前日の陽線を完全に包み込むような形の大陰線が出た場合、相場転換のサインとみるのが一般的です。
この状態は、売り方のエネルギーがかなり強まっていることを示唆しています。
逆のパターンは底値圏で現れる抱き線で、買いサインとなります。
最後の抱き線(高値圏)
上昇相場において陽線の次に大陰線が出現するのが、抱き線の普通の形です。
これは通常の抱き線よりも強力な相場転換のサインとされています。翌日が大陽線よりも下寄りで始まるようなら、完全な売りサインと見て良いでしょう。
逆のパターンは底値圏で現れる最後の抱き線で、買いサインとなります。
ツタイの打ち返し
ツタイの打ち返しとは、前日より安値寄りした陰線が2本でて、その後に大陽線が出現したチャートのことです。
ツタイ線出現後、3日目に強力な陽線が出現し、一気に直近の高値を更新する事があります。これが「打ち返し」です。
買いの勢いは続いているとも見えますが、ツタイの打ち返しは買い方が無理をした不自然なチャートと捉えるのが一般的です。
大陽線の翌日が安値より安値寄りするようであれば即、ショートした方が良いでしょう。
酒田五法の売りサイン一覧(下降トレンド時)
下落トレンド時に現れる順張りのシグナルをまとめました。
三手打ち
三手打ちとは、下落途中で前三本を一挙に貫いて戻した陽線のことで、
売り増しポイントとみられます。
ただし、大底圏の場合はトレ転となることも多いです。
バケ線
バケ線とは、相場に逆らって突然出現する大陽線や大陰線のことです。
ただ、これだけではトレンド転換点とはなりません。
全戻しするようなら、まだまだ売り圧力は強いと考えられます。
捨て子線(下降相場)
下落相場の捨て子線で翌日が窓を開けて下に向かうようであれば下落相場継続という強いサインとなります。
十字線(クロス)は色々な場面で出現しますが、重要なのはクロスした翌日の足です。
下値遊び
下値遊びとは、大陰線で下落した後に5~10日ほどもみ合い、その後ギャップダウンした陰線が現れたチャートのことです。
もみ合い後、上に向けばトレンド転換の可能性も出てきますが、下に窓を空けて陰線が出現したら暴落の始まりとされています。
逆のパターンは上昇トレンドで現れる上値遊びで買いサインとなります。
下放れ二本黒
下放れ二本黒とは、下落相場で窓を開けて陰線が出現し、翌日も陰線となった状態のチャートのことです。
下落途上で、窓を空けて現れた陰線は、それが底打ちとなって小さく反発する場合も多いのですが、二日連続して陰線が続くようであれば買い方が総崩れで、底が抜けてしまうことになります。大暴落の前兆となる場合も少なくありません。
下放れタスキ
下放れタスキとは、下げ相場なら陰線の後に窓を空けずに高く寄り付いた陽線が出ることです。
陽線の出現で底と考えるのは早計で、下放れた後のタスキは暴落の前兆とされています。
逆のパターンは上昇トレンドで現れる上放れタスキで、買いサインとなります。
下放れの並び赤
下放れの並び赤とは、窓を開けて陽線が出現し、翌日もほぼ同じ長さの陽線が並んでいる状態のチャートのことです。
ジリ安相場から、下に窓を空けてほぼ同じ長さの陽線が並んだ形となりますが、一般的にはここは売り増しされる場面です。
逆のパターンは上昇トレンドで現れる上放れの並び赤で、買いサインとなります。
入り首・アテ線
入り首・アテ線とは、下落相場で前日の引け値より安く寄り付き、陽線が前日の安値までしか戻らなかった線を言います。
変化の激しい相場に現れやすい形で、翌日下げるようであれば、下落相場継続とみることが出来ます。
二ツ星・三ツ星(下降相場)
二ツ星・三ツ星とは、ごく短い線が2つ、3つ連続することです。
下落相場で出現後、翌日更に下放れるようなら下降トレンド継続と見ます。
逆パターンは上昇トレンドで現れる二ツ星・三ツ星で、買いサインとなります。
参考文献 http://invest.aandm-china.com/
酒田五法のインジケーターは有用か
MT4・MT5では酒田五法を検出できるインジケーターがいくつか公開されていますが、ほとんどが有料のものでした。有料だからと言って勝率が高いかというと微妙なところです。
無料で配布されているMT4/5対応の酒田五法インジケーターがあるので興味がある方は使ってみてください。(こちら)
TradingViewで酒田五法の公開インジケーターは残念ながらありませんでした。
酒田五法が学べるおすすめ書籍
定本 酒田罫線法
酒田罫線法では、弟子たちを使って統計を取ったというエピソードや考え方からチャートパターンで人がどう判断する傾向にあるか、テクニカルの基礎を学べます。昔の言葉が多い。
酒田五法は風林火山―相場ケイ線道の極意
第一章では相場と本間宗久について、第二章では酒田五法について、第三章では古いですが個別株でのチャート分析例について、具体的に解説されています。
まとめ 酒田五法は脈々と受け継ぐトレード手法
酒田五法|江戸時代から続くトレード手法を解説【ローソク足分析】というテーマで記事をまとめてみましたがいかがでしたか?
酒田五法はチャート分析のひとつに過ぎませんが、ローソク足は奥が深くシンプルだからこそ普遍的で応用も効きます。
実際に400年経った今でもビットコイン相場で通用するのだからすごいですよね。
エリオット波動理論などのテクニカル分析を学ぶこともトレードスキルの向上に大切だと思いますが、ローソク足のプライスアクションに着目したチャート分析もそれ以上に大事なスキルだと私は考えています。
酒田五法は米相場からはじまり、株式投資、FX、仮想通貨…その他の取引でも使えます。
江戸時代に時価1兆円を稼いだという古の相場師の手法が今でも脈々と受け継がれているというのは歴史のロマンを感じます。
漫画「ヒカルの碁」を思い出しました。
他のテクニカル指標記事
コメント欄