今回は、仮想通貨ビットコインFXでトレードしているトレーダーのロング(買い)とショート(売り)のポジション量や含み損益が一目でわかるグラフ「クソポジチェッカー」をご紹介します。
為替界隈では以前から存在していたんですが、それがビットコイン(海外大手取引所BitfinexとBitMEX)でも使えるなんて素敵。
クソポジチェッカー、聞こえは悪いですがとてもわかりやすい名称です。
クソポジチェッカーとは
このビットコイン版のクソポジチェッカーで分かることは、海外大手取引所であるBitfinexと大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXのオーダーブックから読み取れる以下のような情報です。
- トレーダーのポジション量の偏り(ロングショート比率)
- ポジションの偏りから大衆の心理状況
- 指値や逆指値の注文状況から相場の転換ポイント
- サポートとレジスタンス帯の強さ
- 機関投資家・ヘッジファンドの思惑
開発者(@otominet)さんがdiscordで公開していたものを、ウェブ公開版も用意してくれています。
クソポジチェッカー(わくわくポジポジらんど)
以前から、Bitfinexのロングポジション数とショートポジション数、L/S比率はTradingViewやDatemish等で確認でき、以下のような仮説の元利用されてきました。
ロングがショートに比べて増えすぎた時
- 既にロングポジションを持っているトレーダーが多いため新規ロングが増えにくくなり、上がりにくい
- 上がるとロングの利確が入るため、上がりにくく下げやすい
- 下がるとロングのロスカットが連鎖し、暴落に繋がりやすい
逆にショートがロングに比べて増えすぎた時
- 既にショートポジションを持っているトレーダーが多いため新規ショートが増えにくくなり、下がりにくい
- 下がるとショートの利確が入るため、下がりにくく上げやすい
- 上がるとショートのロスカットが連鎖し、暴騰に繋がりやすい
ただ、単純なポジション数や比率だけではそのポジションが含み益or含み損にあるのか分からないため、どのあたりの価格帯から溜まったポジションが解消されていくのかまでは読めません。
ポジションが増加した日時とチャートと比較することで、ポジションが建てられたおおよその価格が分かり、損切りや同値撤退が入りそうな価格帯を推測できるようになります。
これをチャートを開くことなくデータを蓄積し、一目で確認できるようにしたものです。
クソポジチェッカーの見方と使い方
クソポジチェッカーはbitfinexとBitMEXのポジションデータを参照しており、上部にあるタブで切り替えることができます。
クソポジチェッカーグラフの見方
縦軸がBTC/USD価格、横軸がポジション数(BTC)を表しています。
右側に伸びているのがロングで、左側がショートです。
グラフが横に長い程、その価格帯に多くのポジションが溜まっていることを示します。
オレンジ色はそのポジションが含み益、青色は含み損であることを示します。
グラフ左上のShort +2071 BTC From 04-08 16:54はショートポジション数が前回底を打ったのが4/8 16:54であり、そこから2071BTCのショートポジションが建てられていることを示します。
同じようにlong +2091 BTC From 03-15 18:23はロングポジション数が前回底を打ったのが3/15で、そこから2091BTCのロングポジションが立てられていることを示します。
クソポジチェッカーを利用したトレード方法
仮想通貨版のクソポジチェッカーを使ったトレード判断方法を説明します。
下の画像のように、今のロング/ショートでどのくらいの含み益・含み損ポジションがあるのか4つのエリアのグラフを見ることでおおよそ把握できます。
オレンジ色はそのポジションが含み益、青色は含み損であることを示します。以下の画像をみてイメージできるようにしてください。
この画像では、ロング含み益ポジションが比較的多くあることがわかります。
このロング含み益の利確が入る価格帯(紫丸)のショート指値が多いところで、上がりづらくなりレジスタンスになりそうです。
またショート含み損が7000~7300$にそれなりにあることから、7500$あたりを超えるとショートのロスカットを巻き込んで上に一気に抜ける可能性があるということが推測できます。
また、溜まっている含み損ポジションをロスカットさせる方向へと価格は動く傾向にあり、大口の考えを先読みすることができる可能性があります。
大口投資家はその含み損ポジションのストップ(ロスカット)を狙った買いを仕掛け7500$以上に価格を上昇させるようなストップ狩り(ロスカット狩り)があるかもしれません。
クソポジチェッカー価格上下のボリュームを見てトレンドをつかむ
ポジションのボリュームを見てトレンドの流れをつかむ方法もあります。
現在価格のすぐ下に長い棒グラフがたくさんある場合、現在価格のすぐ下に買いポジションが大量に溜まっているということです。
買いと売りが拮抗しているのであれば、この一帯で買いと売りの攻防があり、どちらのトレンドが発生するのかをせめぎ合った跡です。
現在価格がポジション密集ゾーンの上にあるのなら、上昇トレンドが勝ったということでしばらく上昇トレンドが継続しやすい状況と予測することが出来ます。
と覚えておきましょう。
クソポジチェッカーはチャートパターンと併用する
例えば、三角持ち合いやウェッジ、ヘッドアンドショルダー(三尊)、ダブルボトムなどチャートパターンが形成されようとしている時、つまりネックラインでの攻防によって、価格が大きく変動するようなタイミングの時、現在価格の上下どちらにポジションの偏りがあるのか、含み損のポジションはどっちに多いのか、を考えると動きの予測に役立ちます。
自分が大口やマーケットメイカーだったとして、ストップ注文(損切のポジション)が多い方に動いてくれる方が、ロスカットを巻き込んで値幅の期待値が高くなるはずです。
このような視点でいくと、チャートパターン典型の期待値ではなく、ポジションの偏りの方を優先して判断すると上手くいきやすいです。
クソポジチェッカーを動画でも解説しています
クソポジチェッカーのデメリットと注意点
全てのポジションを網羅しているわけでは無い
クソポジチェッカーのデメリットとしては、bitfinex(ビットフィネックス)とBitMEX取引所内の未決済ポジションの情報でしかないということです。
相場を動かす力を持つほどの資金力を持った大口投資家は、bitfinexやBitMEXの他、Binanceや日本人が登録できるBTC先物大手取引所OKEXにもいます。
しかし、他の大手取引所の大口投資家のポジションは含まれないため、大量の資金を投入してビットコインの価格チャートを動かされてしまうと、クソポジチェッカーのグラフが示しているデータを打ち消すような動きがでる可能性があります。
売買シグナルではない
オーダーブックはあくまでも未決済・新規注文ポジションのデータであり、売買シグナルとして判断するものではなく市場参加者の動きを推測する一つの材料に過ぎません。
ストップ狩りを仕掛けるようなアクティブな大口トレーダーは、このようなポジション情報や注文情報を考慮してトレードしていて、個人トレーダーの損切り注文が溜まっているレートまで大量の資金で動かしてロスカットを巻き込んで利益を上げることが常套手段です。
売買シグナルとして単純にとらえるのではなく、
自分が大口トレーダーだったらどっちにチャートを動かしたほうが利益が出るのか?
という思考でオーダーブックを読んで大口の仕手をうまく利用してやりましょう。
BTC版クソポジチェッカーのまとめ
ビットコイン版クソポジチェッカー(わくわくポジポジらんど)の使い方とトレード戦略について解説してみました。
以下のことを抑えて理解してみてください。グラフの見る目が変わりますよ!
- クソポジチェッカーは主に個人投資家の動きを反映している
- 偏ったポジション量がある場合にはそちらに相場は動きにくい
- 大きなポジションは約定しなければ反転ポイントとして目安になる
- 大きい含み損クソポジはロスカ狩りを狙われやすい
以下の画像をみてイメージできるようにしてください。使えるツールを駆使して優位性のあるトレードスキルを身に着けてください。
また、このクソポジチェッカーと相性の良いスキルに「テープリーディング」というのがあります。
この二つを意識しながらトレードするのは初心者には難しいかもしれませんが、トレーダーとして稼いでいくには大事な考え方なので是非合わせて読んでみてください。
コメント欄
http://ludwig.s602.xrea.com/op/
上記のコンテンツの更新が6/18以来止まっているように見えますが、いかがでしょうか?
本当ですね、報告ありがとうございました。色々調査してみます。