いつもはビットコインFX記事メインの仙人ブログですが、今回は連載でハーモニックパターンについて解説しております。
前回の記事はこちら
この記事ではハーモニックパターンの中でも有名な、ガートレイパターン、バットパターンについて解説します。
出現頻度はそこまで多くありませんが、成立した時の勝率はなんと9割になるとの報告もあるハーモニックパターンを是非会得しましょう。
ハーモニックパターン記事一覧
ガートレイパターンとは
数あるハーモニックパターンの中でも典型的なパターンです。
元々、ガートレイ222と呼ばれており、ガートレイさんが著書の222ページで紹介したのが由来の様です。
ガートレイパターンの成立条件
以下、ガートレイパターンの成立条件を記載します。
- B点はXAの0.618リトレースメント(XAの長さの0.618倍以上)
- D点はXAの0.786(~0.886)リトレースメント
- C点はABに対するBCの0.38~0.886リトレースメント
- BCプロジェクション1.272~1.618
- C点はA点を越えない
- D点はX点を越えない(越えた場合クラブパターンに変化の可能性も)
- AB=CDまたはAlternate AB=CDを内包
- ストップオーダーはD点がX点を越えた先
重要なのは、最初のBの戻しが“61.8%”
そして、ガートレー終点のDが、XAの下落に対する“78.6%”戻しということです。
この数値は絶対ですので必ず押さえておいてください。
基本的にA→Cと安値切り上げが起きた時点でBが61.8%だったら、その時点でDを予測できます。
「理想的な」ガートレイパターン
この「理想的な」パターンの比率通りにガートレイパターンが出てくる頻度はなかなかないと思います。それだけ厳密に比率を定義されています。
フィボナッチやABCD描画ツールをTradingViewで使う
フィボナッチツールやハーモニックパターンXABCDの線画ツールは、bybitに標準でついているTrading Viewが非常に使いやすいのでバシバシ使っていきましょう。
フィボナッチ
BitMEXチャートのサイドバーで、ピッチフォークのマークをクリックすると「フィボナッチ・リトレースメント」がでてくるので選択しましょう。
ABCDパターン線画
画像のアイコンをクリックし「XABCDパターン」もしくは「ABCDパターン」を選択しましょう。
「Cypher Pattern」や「三角パターン」「Three Drives Pattern」を使うことでチャートに以下のような図を描画することもできるので、パターンの発見に役立ちます。
※ただしスマホの操作性は悪いので、PCブラウザからの使用がお勧めです。
ガートレイパターンのエントリーや利食い損切りポイント
ガートレイパターンの基本通り、0.786XAを起点として、フィボナッチ比率に基づいたAlternate AB=CD成立のポイント、BCプロジェクションのポイントで0.786XAに一番近いところのPRZ(エントリーするべきポイントになるところ)を算出します。
逆に言うと、重ならない場合は世間で言う90%の精度は達成できないと思います。
また、長い時間足でのトレンド順張りとなっている場合は勝率が高まります。
ガートレイパターンのエントリーポイント
PRZとなるD点に価格が到達した時点でエントリーしてもいいですが、ややリスクが増えます。
安全でより確実なトレードをする場合は、過去のトレンドライン、サポートとレジスタンス、価格のもみ合いが起きていたゾーンとの重なりを確認し根拠が多い場合に狙いをすましましょう。
PRZに到達した前後のローソク足のプライスアクションによってエントリーできると他のシグナルより一足早く動けるのでオススメです。
(長いヒゲ、孕み線ブレイク、首つり線など)
逆張りのエントリーになるので、移動平均線のクロスやオシレーター系指標のシグナルを待ってエントリーすると裏目になることもあるので注意です。
ガートレイパターンの損切りポイント
X点を抜けて逆行した時点が損切りポイントとして推奨されています。
ただ、ガートレイパターンの場合はD点が0.886XAに到達すると、パターン自体の成立条件が満たされなくなるため、これを基準にするともう少し早めに損切り設定ができます。
D点付近にあるPRZをヒゲで一時的にブレイクしてから反転する事もあるので、PRZ抜けすぐに損切りは早計となる可能性があります。
ガートレイパターンの利食いポイント
利食いポジションは分割する事が推奨されています。
AD (A点からPRZで反転したD点) を結んだ線から、38.2%値幅が伸びたポイント前後が第一目標、61.8%伸びたポイント前後を第二目標とします。
第二目標まで利を伸ばす場合にはトレイリングストップなどを使うとより確実な利食いができます。
バットパターンとは
続いて、もう一つのハーモニックパターンの典型パターン、バットパターンについて解説します。
バットパターンの成立条件
以下、バットパターンの成立条件を記載します。
- B点はXAの0.382~0.50リトレースメント(XAの長さの0.382~0.50倍以上)
- C点はABに対するBCの0.382~0.886リトレースメント
- BCプロジェクション1.618 2.0 2.618
- C点はA点を越えない
- D点はX点を越えない(越えた場合クラブパターンに変化の可能性)
- (Alternate) AB=CDを内包、最適値は1.272
- ストップオーダーはX点を少し越えて逆行した地点
0.50の次のフィボナッチ比率、0.618に達するとガートレイの成立条件を満たしてしまうので、実質0.50~0.618でもバットパターンが成立すると考えます。
上昇パターン(Bullish)を例に挙げると、XからAへ上昇し、(Alternate含んだ)AB=CDパターンを作る二段下げで押し目を作り、そこから上昇するというシナリオになります。
重要なのは、最初のBの戻しが“50%”に満たないくらい浅く
そして、バット終点のDが、XAの下落に対する“88.6%”戻しということです。
この数値を覚えておくと判別しややすいので必ず押さえてください。
基本的にA→Cと安値切り上げが起きた時点でBが38.2~50%だったら、その時点でDを予測できます。
ビットコインチャートでもそれなりに現われるパターンだと思いますね。D地点(PRZ)でオシレータ系指標のダイバージェンスが出ていると的中率が高くなります。
「完全な」バットパターン
カーニー氏の著書でパーフェクトなバットパターンとして以下のように紹介されています。
オルトバットパターンというのもあります
以下がオルト(alt)バットパターンです。全体的に比率が変わってきていますね汗
バットパターンのエントリーと利食い損切ポイント
バットパターンの基本通り、0.886XAを起点とし、フィボナッチ比率に基づいたAlternate AB=CD成立のポイント、BCプロジェクションのポイントで0.886XAに一番近いPRZを算出していきます。
フィボナッチやハーモニックパターンXABCDの線画は、bybitツールを使っていきましょう。
バットパターンのエントリーポイント
基本的にはパターン完成後のD点以降のエントリーとなります。
チャートの形を見つつ、プライスアクション的にエントリーして良さそうなら見切り発車でエントリーしても良いかも知れません。
PRZに差し掛かるまで厳密に待ってもいいですが失敗する確率もあがります。
PRZから反転するであろう方向が長期トレンドと一致、過去のトレンドラインやもみ合いゾーンと一致すれば信頼性は高まります。
バットパターンの損切りポイント
つまり高値更新(ベア)・安値更新(ブル)が損切りの条件となります。
また、PRZをヒゲで一時的に抜いてから反転する事もあるので損切指値の位置に気を付けましょう
また、Xを抜けて損切り →ドテンS 、と頭を切替えて新しいトレンドに乗って行けると負けにくいトレードになると思います。
バットパターンの利食いポイント
ガートレイと同様に分割利食いがオススメです。
AD を結んだスイングから、38.2%値幅取れたポイント前後を第一目標、61.8%のポイント前後を第二目標とし、第二目標を目指す場合にトレーリングストップ注文にすると確実に利益を載せられると思います!。
まとめ
ハーモニックパターンの典型的パターンであるガートレイパターンとバットパターンについて詳しく解説してみましたがいかがでしたか?
ヘッドアンドショルダー(三尊)やエリオット波動などのチャートパターンも合わせて見るとより有力なエントリーの根拠になりますよ。
ハーモニックパターンは他にもあるので興味があれば是非他の記事も読んでみてください。
ハーモニックパターン記事一覧
参考文献:
ハーモニックパターン – TradingView
ハーモニックパターン①『ガートレー』 – ゆきまさFX
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