今回はビットコインFXでも有効に機能する「エンベロープ(envelope)」というインジケータを用いたトレード戦術をご紹介したいと思います。
エンベロープは日本での知名度はそれどほ高くないですが実力は折り紙付きで、一見ボリンジャーバンドに似たトレンド系指標です。
- エンベロープとは
- エンベロープを使った具体的なトレード手法
- この手法を実践する時の注意点
を重点的に書いていきます。
このインジケーターがなぜ有効に機能するのか?知識を深めておけば様々な場面でエントリーする根拠を得ることができます。
エンベロープ(envelope)とは?
実績ある優秀なトレンド系インジケーターである「エンベロープ」とは、移動平均線から上下に一定に乖離させた線のことで、価格が移動平均線から、どの程度離れたかを見るために用いる指標です。
移動平均線からどれくらい離れたら反転し、移動平均線に向かい始めるのか、ということを移動平均線からの乖離率を利用し可視化しています。
エンベロープは、真ん中の移動平均線をそのまま上下に一定の割合だけ離したものという非常にシンプルな仕組みになっており、つまりエンベロープの上下のバンドは移動平均線と全く同じ動きをします。
ボリンジャーバンドと良く似た形ですが、「上下のバンド幅が一定」という特徴があり、「値動きの行き過ぎ」を値幅(乖離率)というシンプルな方法で表示し、反発ポイントを見つけやすい指標です。
「封筒(エンベロープ)」のような帯を描いて一般的には、エンベロープの上限・下限をトレンドの反転のポイントとして売買サインに用いたり、支持・抵抗の目安として用います。これは、価格は移動平均線から極端に遠く離れないという考えからきています。
乖離の目安をどの程度にするかは、相場によって異なり、一般的に為替市場では25日移動平均線対比で「乖離率 2~3%」と言われています。
エンベロープとボリンジャーバンドの違い
ボリンジャーバンドの各ラインは、標準偏差を使って算出されているので、価格変動が大きくなるとバンドの幅が広がったり、変動が小さくなると幅が縮まったりと相場の変動に伴ってラインの広がりや縮まり(エクスパッションとスクイーズ)がありますが、エンベロープにはそれがありません。
エンベロープは単純に、中心ラインの25日移動平均線に平行な線が上下に引かれただけのシンプルなものです。
エンベロープの基本的なトレードシグナル
価格が上側のラインに接近・到達した時は、
反転下落の可能性が高く買われすぎと判断し「売り」、
下側のラインに接近・到達した時は、
反転上昇の可能性が高く売られすぎと判断し「買い」を行います。
乖離率は任意ですが、取引前にその都度偏差を設定する必要があります。日足の場合に5日、10日、20日、75日、100日、200日を、週足であれば6週、13週、26週といった移動平均線を使用して、2%、3%、5%、10%などの乖離率が推奨されています。
仮想通貨相場でも日足では25日移動平均線を表示することが一般的な感じがします。
ただ、ビットコインには一方的な値動きがある強いトレンド相場があります。その時にはこの限りではありません。
→BitMEXのビットコインFXで乖離率を設定する方法
BitMEXでエンベロープを表示する方法
bybitにログインしたら、チャート画面にあるインジケーターのアイコンをクリック、「エンベロープ(もしくはenvelope)」と検索窓に入力しましょう。
「エンベロープ」を選択するとエンベロープが表示されます。
エンベロープは剥離率の設定必須
エンベロープの剥離率は取引前にその都度偏差を設定する必要があります。
「フォーマット」から剥離率や移動平均線の設定が出来ます。
ビットコインFXの日足を参考にしたスイングトレードなら「25日移動平均線・剥離率3~10%」くらいがいいと思います。直近の反発ポイントに合わせます。
ビットコインFXの一分足を参考にしたスキャルピングトレードの場合は「25日移動平均線・剥離率0.2~0.25%」くらいがいいと思います。こちらも直近の反発ポイントに合わせましょう。
チャートから消したい時には、以下の箇所からインジケーターを消すことができます。
エンベロープを使ったスキャルピング手法
エンベロープを使うと、上下のラインに触れた時が逆張りスキャルピングの売買サインとなり、具体的にどこで発生するかを高い確率で判断できるようになります。
また、ローソク足が上下のラインに接触してヒゲが出た時、つまりローソク足のヒゲが上下のラインに接触してから反転しているポイントでエントリーできます。
ヒゲを確認、または直近のヒゲにエンベロープの乖離率を合わせてからエントリーポイントを探すというシンプルなトレードが鉄則です。
エンベロープ+RSIで逆張りスキャルピングトレード
エンベロープとRSIを併用したスキャルピングトレードは相性が良い組み合わせと言われています。
トレードの手順としては、
↓
②抜けたローソク足がヒゲを形成し、かつRSIが30%以下ならロング・70%以上ならショート
↓
③ローソク足の終値がEMAを抜ける(利確)、エントリー価格から20pips逆行で(損切り)
RSIは上がり過ぎ、下がり過ぎを測るオシレーター系の指標なので、反転狙いのフィルターとして使用します。
エンベロープの外側に価格が飛び出しても、RSIが30%以下、70%以上になっていなければ、エントリーの条件を満たしていないとして、トレードは見送ります。
この戦略のメリットは、短時間でもトレードチャンスが多く、そして少額資金で可能ということです。
エンベロープを利用したトレードの注意点
エンベロープは相場に強いトレンドがある場合、上下のラインに価格が接近・到達しても相場の転換が起らないことがあります。
ビットコイン相場には、為替や先物相場に比べ、一方的な強いトレンド相場が訪れることがあります。
高値安値などの節目をブレイクする時には強いトレンドが発生することが多いので注意が必要です。
出来高が低い時もトレンドを一方向に動かされやすいので同様に警戒するべきです。
例えば、強い上昇トレンドの時はエンベロープの上側のラインにローソク足が張り付いた状態で上昇が続き、強い下降トレンドの時はエンベロープの下側のラインにローソク足が張り付いた状態で下落が続くといった場合がみられます。
また、経済指標発表時や要人発言時などファンダメンタルの影響が強い相場の場合でも、エンベロープをはじめインジケーターのほとんどが機能しないことが多いです。
そういう時にはできるだけエンベロープを使わないようにし、レンジ相場やボックス相場で役立てるようにしましょう。
まとめ
エンベロープをビットコインFX(BitMEX)で使うスキャルピングトレード戦術というテーマで記事を書いてみました。
- エンベロープはトレンドフォロー型のテクニカル指標で「バンド幅が一定」という特徴がある
- 基本的にバント幅は調整必須。直近のレンジの高値、安値が収まるようにする
- バンドの上限、下限をもとにトレードを行う。逆張りに強い。
スキャルピングトレードをするならエンベロープは相性バッチリのインジケーターです。
エントリーポイントもとてもシンプルで分かりやすいので、誰でも行うことができるのがメリットですね。
ビットコインはトレンド相場時は出来高もボラティリティ(値幅)も高く、エンベロープを使った短期のスキャルピングには不向きですが、中期のトレードには非常に向いています。
枚数の張り方(レバレッジのかけ方)や利食い損切りの方法が決まっていないと、思うように利益を出せないので、バンド上限・下限で指値やストップ注文をあらかじめ仕掛けておくなどして、うまくトレードに組み込みましょう。
実際にトレードをしてみると知識だけではない多くの気付きや感覚を培うことが出来るのでぜひ色んなインジケーターを使って実践的なトレード戦術を磨いてください!
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