Deribit(デリビット)の登録・使い方、ビットコイン先物・オプション取引をトレードに利用

ビットコインのオプション取引というものをご存知でしょうか。
海外ビットコイン取引所であるDeribitのオプション市場影響度は年々強くなっており、無視できないほどになっています。

オプション先物取引とは、将来の決められた日にち(満期日)に決められた事前価格で買う（売る）「権利」を売買する取引です。少し分かりにくいですね。

今世界の主要取引所の中でBTCオプション取引が出来るのは、Deribit、CME、Bakkt、Ledger Xの3取引所だけです。その中でもDeribitの取引高は群を抜いています。というのもDeribitは日本を含む多くの国で簡単に登録が出来、誰でも参加できるからです。

また、Deribitはビットコインオプションだけでなく、以下の商品を提供しています。

BitMEXを日本人が使えなくなった今、Deribitのビットコイン先物取引も今注目を浴びているので、併せて解説します。
ビットコインのオプション取引市場はDeribitさえ見ておけば今のところOKです。

オプション取引のみ興味がある方は目次の「ビットコインのオプション取引とは」まで飛ばし読みしてください。

オプション取引高No.1、Deribitの特徴

取引所名	Deribit(デリビット)
所在地	オランダ→パナマ(南米)
設立年	2016年
モバイル	公式アプリ対応
登録に必要な物	メールアドレスのみ(KYC不要)
取扱通貨	BTC、ETH
レバレッジ	最大50倍

Deribitは2016年にオランダのアムステルダムに設立された、セキュリティ被害もゼロの優良取引所です。
海外で先物取引所としてBitMEXに並んで知名度が高く、海外最大手取引所6カ所の現物取引（Bitstamp・Gemini・Bitfinex・Itbit・Gdax・Kraken）の現物価格を参照しています。

今や仮想通貨市場に与える影響度は日本のビットフライヤーを優に超えており、Deribitがそれだけ大きな市場であり、Deribitのチャートの動きは現物価格の予想に非常に役立ちます。

Binance、Bybitとともに登録しておきたいBTC市場のリーディングカンパニーと言っても過言ではないでしょう。

Deribitのオプション建玉一覧やリアルタイムチャートを見るには、Deribitアカウントでログインする必要があるので、ささっと登録しておきましょう。

また、BitMEXを日本人が使えなくなった今、Deribitのビットコイン先物取引(Bitcoin Future)も今注目を浴びています。
なぜならDeribitのビットコイン先物取引高は実質世界４位ほどになっており、日本人が使えるBTC先物市場の中では実質最も取引高が多い部類の取引所でもあるからです。

Deribitオプション取引の手数料

Deribitの取引手数料は、無期限・先物・オプションでそれぞれ微妙に異なり、オプションに至っては特殊です。

	メイカー手数料	テイカー手数料
BTC無期限	-0.025％	0.075％
BTC先物	-0.02％	0.05％
BTCオプション	0.0004BTC、もしくはオプション契約の0.04％。 また決済（清算）に必要な手数料は0.15％。

※手数料がオプション価格の12.5％を超えることはありません。たとえば、オプションが0.0001BTCで取引されている場合、テイカー料金は0.0004 BTCではなく、0.0000125BTCとなります。

出金手数料は送金に時間がかかるほど安く、早いほど高額になります。
Medium（最安だが最も遅い）0.0005BTC～Insane（高額だが送金が最も早い）0.001BTCまで4段階あります。
デポジット(入金)に手数料はかかりません。

Deribit（デリビット）のモバイルアプリ

Deribitには、android、iOSに対応した公式アプリがあります。
使いやすいのでオススメです。※偽物に注意してください。

Deribit（デリビット）の登録・口座開設方法

Deribitの登録には、KYC（本人確認資料）は不要で、フリーメールアドレスさえあれば出来ます。手軽さはBybitと同じですね。
簡単な５項目を入力してメール確認するだけで使うことが出来ます。※全ての機能を使うにはKYCが必要です。

Deribitの登録フォーム

Eメール	メールアドレスはフリーメールでOK。
ニックネーム	任意の名前を入力
パスワード	アルファベットと数字の組み合わせ
パスワードの確認	確認のためパスワードをもう一度入力
居住国を選択	Japan以外選択。(アメリカ居住者は登録不可)

登録したアドレス宛に確認メールが届くので、文中のリンクをクリックすると、上記の画像のように「Your account has been confirmd.」と表示されログインできるようになります。

入金する場合は二段階認証を！

Deribitに入金する場合には、セキュリティ向上のため2段階認証の設定を必ずしておきましょう。
「設定」→「セキュリティ」→「2段階認証を有効にする」をクリックすると、設定できます。
二段階認証アプリには「Authy」がPCと同期でき便利なのでオススメです。

Deribit（デリビット）取引所の使い方

入金方法

Deribitに入金する為には、「設定」→「デポジット」から「新規デポジットアドレスを取得する」をクリックして表示されるアドレス宛にビットコインを送金します。

出金方法

Deribitから出金するには、「設定」→「引き出す」ページに表示されるフォームに入力後、「引き出す」緑ボタンをクリック→送信された確認メールのURLをクリックすることで完了します。

Deribitの出金画面フォーム

アドレス	「アドレス管理」に登録したBTCアドレスを選択します。
Trading balance	トレード証拠金に使用中のBTCが自動表示されます。
Current session profits	現在のトレード含み益・含み損が表示されます。
利用可能	送金可能な口座残高が表示されます。
数量	送金したいBTC数量を入力します。
引き出し手数料	「優先度」で選択した送金手数料が自動入力されます。
優先度	「とても低い(0.0005)」～「大きすぎ(0.001)」の4通りから選択します。遅いほど安く、早いほど高額になっています。

オーダー 注文方法(無期限/先物)

ビットコイン無期限契約と先物のオーダー方法は直感的にもわかりやすいです。

基本的なオーダー方法はBitMEXと同じなので、以下の記事を見れば理解できると思います。

ビットコインのオプション取引とは

オプション先物取引とは、将来の決められた日にち(満期日)に決められた事前価格で買う（売る）「権利」を売買する取引です。
レバレッジを掛けたポジションを取引する信用取引の一種です。

コールオプションとプットオプション

買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」といいます。
語源はCALL「（権利）を要求する」、PUT「（義務）を課す」という意味です

先物取引が売買の契約なのに対し、オプション取引は権利の取引になります。
オプション取引ではコールの買いと売り、プットの買いと売りの4種類を組み合わせることで、さまざまなポジションを取ることができます。以下の４種類です。

オプション取引はサイコロゲームに例えられる

オプション取引というのは、いわばサイコロの目が出たあとに、それを見てゲームに参加するかどうかを決める仕組みです。

例えば、1~6の目がある確率均等なサイコロを振って、3より大きな目が出たらその目から3を引いた数値×1万円の金額が手に入るゲームがあるとします。

参加料を払ってこのゲームに参加する場合、損失は参加料だけです。(オプションでいう新規注文)
例えば1～3の目が出た場合、3より小さいのでお金はもらえません、4が出ると（4-3）×1万円＝1万円もらえます。5だと2万円、6だと3万円です。

このゲームの参加料はコールオプションに似ています。
期待値を計算すると、1万円より安くゲームに参加できれば有利と考察できます。

損失を1万円以下に限定し、ゲームに乗るかどうか（権利を行使するかどうか）は決済方法で選択することができるのがオプション取引最大の魅力です。

オプション取引の決済方法

オプション取引の決済方法は2つあり、行使期日までポジションを持ち続けた場合に権利を行使するのを待つか、満期日までにポジションを反対売買で決済する方法です。

行使期日までにオプションは自由に売買することができるので、行使期日まで持つことで権利を行使することも、普通にトレードで決済することもできます。先物と同じような感じですね。

ただ、BTC現物価格と行使価格が離れていると出来高が少ないので注意です。

Deribitオプション取引の使い方とオーダー方法

世界シェアNo.1のビットコインオプション取引市場であるDeribitのオプション取引を知れば、トレードの幅がぐっと広がるだけでなく、どのようにBTCオプション価格が現物価格に影響を及ぼすのか、考察ができるようになります。

オプションに今まで触れたことがない人からすると、ぱっと見かなり分かりにくいトレード画面になっており、是非この解説を読んで理解していただけたらと思います。

権利行使日	毎週金曜8:00(UTC)日本時間17:00

まず最初に、オプション取引画面は英語基準で作られているので、言語を日本語ではなくEnglishにしましょう。日本語のままだと分かりにくいです。

オプショントレード画面の見方

まずは表示設定機能。「BTC Options」という太字の直下、画面に表示する情報量の調整ができます。
とりあえず青枠の部分は全部チェック入れておく方が分かりやすいかと思います。

Last(直近価格)	トレードされた最も最近の価格です。チャート価格。
Implied Volatility(IV)	予期されるボラティリティ(値幅率)を数値化したものです。
Volume(出来高)	一定期間内に取引成立した取引高です。
Open Interest(未決済建玉)	まだ決済されていないポジションを未決済建玉といいます。
Delta(デルタ)	説明長いので表の下に書きました。
Positions(ポジション)	現在保有しているポジション量を表示します。
Mark Price(参照価格)	現在価格より公正に算出した価格で基準価格となります。

オプション取引のオーダー方法

まず、オプションのオーダーの出し方ですが、画像左の画像セル内（赤枠）でトレードしたい条件の合うオプションを選んでクリックすると、そのオプション板情報チャート・注文画面が開きます。
チャートやオーダーブック・歩み値はオプションごとに存在し、固有のものであり共通のものではありません。

注文画面でオプションを指値(limit) で建ててもいいし、 成行(market)でテイクしてもいいです。

基本的なオーダー方法は他のトレード方法と大きな違いはありませんが、注文量が少ないので考えて注文しなければ上手くいかないかもしれません。

BTC情報アラートを活用しオプション情報を監視

ツイッターアカウントBTC情報アラート(@btc_status)をフォローすることで、以下の画像のようにDeribitの未決済建玉推移、オプション未決済建玉グラフ、プットコールレシオ(PCR)を一定間隔で知ることができます。

Deribitの未決済建玉推移

無期限と先物の未決済建玉の推移を知らせてくれます。（オプションは含まれていない）

Deribitのオプション未決済建玉グラフ

建玉が大きな価格帯はサポートやレジスタンスとして機能するという見方ができます。
中央のグラフはクソポジチェッカーとしても見ることが出来ます。

Deribitのオプション未決済建玉グラフの見方

中央の赤枠内が現在のDeribitオプション取引の未決済建玉(IO)です。
現在価格は黄色ヨコ線で表示されており、そこから上がコール含み損・プット含み益、下がコール含み益・プット含み損と見ることが出来ます。
満期日によって色分けがされており、出来高の大きな価格帯はサポートやレジスタンスとして機能しやすいです。

右の青枠は７日前との比較を数値化したものです。

プットコールレシオ(PCR)

また、プットコールレシオ(PCR)は相場の強気・弱気を測るために使われる指標です。 （上がれば弱気、下がれば強気など。）
開発者のtainokoさんによると、黄線はプットの売買金額をコールの売買金額で割ったもの(七日平均)、紫線はプット建玉をコール建玉で割ったもの、黄色の線をプットコールレシオとして見ることができるとのことです。

プット・コールレシオの見方

プット・コールレシオ（PUT CALL RATIO:PCR）は　ビットコイン相場の過熱感を客観的に観察することができる可能性があります。

コール（相場上昇時に利益を狙う）を売買が多いのか、プット（相場下落時に利益を狙う）を売買が多いのかの割合を算出したものです。PCRは逆張り指標として使われることが多いです。

とざっくり判断することが出来ます。
以下のポイントに注目してみるのがおすすめです。

つまり、プットコールレシオが鋭いピークを付けた場合、トレーダー心理が弱気から強気に転換した可能性を考え、プットコールレシオが0.1を下回った場合コールに取引が集中し相場に過熱感がでた可能性を考えます。
以下の画像では、ビットコイン暴落(緑色丸)の前にPCRがいち早く反応(黄色丸)していることがわかります。

プットコールレシオはトレーダーの心理状態を把握することに着目した指標なので、過去の取引価格のみに焦点を当てたテクニカル分析よりダマシは少ないと思われます。

しかし、プットコールレシオを用いた投資手法が成功する保証はないのであくまで指標の活用は自己責任で。

まとめ

Deribit（デリビット）のビットコイン先物オプション取引をFXトレードに活用する方法についてまとめてみました。

Deribitは海外業者ですが、日本語表示も対応し英語が読めない人にも使いやすくなりました。
ビットコインのオプション取引の浸透から出来高も上昇し続け、bitfinexを凌駕する勢いでオプションの建玉情報から現物価格予測もしやすくなっています。

またセキュリティ面でも信頼できるはずです。
是非上手く活用してトレードに生かしてください。