普段は海外ビットコインFX取引所でトレードをしています、仙人です。
今回の記事は、仮想通貨(暗号通貨)販売所のスプレッドについて切り込んでいきます。
スプレッドというのは、販売所の売りオーダーと買いオーダーの価格差です。
実は仮想通貨取引所と一口に言ってもこのスプレッド手数料は雲泥の差があります。
取引手数料無料!というフンワリした謳い文句に踊らされているようでは相場の養分ですよ。
あの取引所…手数料無料って謳ってるけど、スプレッド手数料高すぎ…
当記事では、海外取引所からビットフライヤー(bitflyer)・GMOコイン・DMMビットコイン・Zaif・bitbank等の仮想通貨販売所のスプレッドについて徹底比較し、スプレッドの利用法から注意点や対策まで解説しています。
スプレッド手数料がよくわからないという方もこの記事を読んで頂ければ充分理解できる内容となっています。
スプレッドとは|狭い=勝ちやすい?
まず仮想通貨取引所のスプレッドについて説明します。
スプレッドとは?
価格チャートの値動きの変化に伴って売り買いをするのがトレードですが、その瞬間の「売る時の値段(BID)と買う時の値段(ASK)の差」をスプレッドといいます。
以下はビットコイン現物販売所で同じ時間で撮ったスクリーンショットですが、売買価格に差があるのが分かりますよね。(撮影時2021/1/12)
bitFlyerのビットコイン販売所スプレッド
GMOコインのビットコイン販売所スプレッド
コインチェックのビットコイン販売所スプレッド
スプレッドが広いと勝てない(スプ負け)
利益を出すためには、この差が小さければ小さいほど勝ちやすくなるのは明白ですよね。
売りと買い価格のスプレッドが原因で損をしてしまうことをスプレッド負け(スプ負け)とも呼びます。
国内仮想通貨取引所でトレードしている人は知らず知らずのうちにスプレッド負けしている可能性があります。
特にアルトコインのスプレッドは広いので注意
例えば、ビットフライヤーの「販売所」でアルトコイン銘柄のモナコインを売買する場合スプレッドは20%以上でした。これでは勝てる投資も勝てなくなります。
販売所のスプレッドは手数料に明記されていない
スプレッド手数料は隠されがちです。仮想通貨を初めて購入する初心者は知らないでしょう。
GMOコインやDMMビットコイン、コインチェックも、世界的にも珍しいスプレッドがある販売所形式がメインです。
しかも「取引手数料無料!振り込み手数料無料!ロスカット手数料無料!」という謳い文句で、さもスプレッド分の手数料がほとんどかからないかのような言い回しでユーザーにアピールをしている取引所もありますね。
普通は取引手数料とか、円出金手数料とかが主な利益だと思いますよね?
しかし実際はこの見えない手数料・スプレッドが一部日本取引所のメイン収益源となっているのが販売所の特徴です。
最近は更にスプレッドが分かりにくくされている
2021年現在、最近ではビットフライヤー・コインチェック・Zaif等でも売りと買いの価格を同時に表示しないようにし、売買価格差(スプレッド)が分かりにくくなっています。例としてbitFlyerとZaifの販売所ページを載せました。
(さらに言うとbitFlyerではアルトコインのスプレッドが以前より広がっている)
スプレッドは取引所の利益となる
当然、過去にはスプレッド手数料の存在に気づかず、ビットフライヤーやコインチェックでモナコイン等アルトコインを購入する日本人が殺到しました。
同時期、BitbankやZaifの「板取引」ならスプレッドもなく取引手数料も安く購入できたので売買益の差は歴然です。
なぜかというと、販売所で購入された(売却された)仮想通貨を、スプレッドの無い板取引所で反対売買すると、差額分が儲かる原理が働くからです。
日本国内取引所も、カバー取引していることが多いです。カバー取引には海外取引所がよく使われます。
初心者が販売所スプレッドで売買損を押し付けられているわけです、養分ホイホイです。
次の章から具体的なスプレッド料率の比較をしていきます。
ビットコイン現物のスプレッド比較
販売所形式がある主要取引所6つの「ビットコイン販売所」のスプレッドを見てみます。(撮影時2021/1/12)
bitFlyerのビットコイン販売所スプレッド
bitFlyer「販売所」のビットコイン買い価格が3702161円の時、売り価格は3486917円でした。
スプレッドは約5.8%でした。
Zaifのビットコイン販売所スプレッド
Zaif「販売所(簡単売買)」のビットコイン買い価格が3691023円の時、売り価格は3465939円でした。
スプレッドは約6.1%でした。
GMOコインのビットコイン販売所スプレッド
GMOコイン「販売所」のビットコイン買い価格が3702866円の時、売り価格は3557656円でした。
スプレッドは約3.9%でした。
コインチェックのビットコイン販売所スプレッド
コインチェック「販売所」のビットコイン買い価格が3768000円の時、売り価格は3539600円でした。
スプレッドは約6.1%でした。
bitbankのビットコイン販売所スプレッド
bitbank「販売所」のビットコイン買い価格が3770842円の時、売り価格は3695182円でした。
スプレッドは約2%でした。
TAOTAOのビットコイン販売所スプレッド
TAOTAOは31,600円(0.7%)でした。
DeCurretのビットコイン販売所スプレッド
DeCurretは買4,986,432円 売4,867,893円、スプレッドは118,539円(約2.4%)でした。
「販売所」のビットコイン売買スプレッド一覧
bitFlyer(板取引もある) | 約5.8% |
---|---|
Zaif(板取引もある) | 約6.1% |
GMOコイン(板取引もある) | 約3.9% |
コインチェック(板取引もある) | 約6.1% |
bitbank(板取引もある) | 約2% |
DMMビットコイン | 約1.2% |
TAOTAO | 約0.7% |
DeCurret | 約2.4% |
楽天ウォレット | 約4.2% |
という結果になり、比較した大手取引所の「販売所」中でbitbankのビットコインのスプレッドが最も低い水準(板取引所も併設している中で)だということが分かりました。
ビットコインは現物「取引所」で購入するべき
ではビットコイン現物をどこで買えばお得なのか?
「販売所」でビットコインを購入すると、平均して6%程度のスプレッド手数料がかかるということが分かりましたね。
6%というと決して安くはなく、正しく買えば0.1~1%程度の手数料でビットコインを購入することができます。
ビットコインを適正な手数料で購入できる大手の国内仮想通貨取引所は「bitFlyer」「bitbank」「GMOコイン」「Zaif」あたりがおすすめです。
「販売所」ではなく「取引所」を使う
ビットコイン現物を購入するには、板取引(オーダーブック)で取引を行う「取引所」を使います。bitFlyer、bitbank、GMOコイン、Zaifには「販売所」だけでなく、ビットコイン「取引所」があります。
それぞれの取引所の使い方を知りましょう。
bitFlyerのBTC板取引所
ビットフライヤーの管理画面にある「取引所」からビットコインの板取引所に入れます。
とても簡易なオーダー情報しかありませんが、大きな資金を使うのでなければ板に買いたい価格(現在価格とか)に注文を入れましょう。
大きな資金で一気に買いたい場合は販売所の方が楽かもしれませんが、基本的に私はこの「取引所」で板取引での売買を推奨します。最もコストが低い購入方法だからです。
bitbankのBTC板取引所
bitbankの管理画面にある「取引所」→通貨選択でビットコインの板取引所に入れます。
bitbankは国内板取引所の中では最も流動性が高くまとまった金額のビットコイン購入・売却も可能です。
GMOコインのBTC板取引所
GMOコインの管理画面にある「取引所 – 現物取引」からビットコインの板取引所に入れます。
ビットフライヤーと同じく簡易なオーダー情報しかありませんが、一度に巨額資金を使うのでなければ板から売買注文をしましょう。
ZaifのBTC板取引所
Zaifの管理画面にある「Orderbook trading(何で英語なんだ)」→主要通貨→JPYからビットコインの板取引所に入れます。
ちょっと流動性が低いので少額のビットコイン購入・売却であればZaifを使ってもいいと思います。
アルトコイン現物のスプレッド比較
販売所形式がある主要取引所5つの「アルトコイン販売所」のスプレッドを見てみます。
アルトコイン販売所があるのは「コインチェック」「ビットフライヤー」「Zaif」「bitbank」が代表的だと思います。
全ての銘柄を見るのは大変なのでここでは無作為に選んだアルトコインの価格を比較してみます。
コインチェックのアルトコイン販売所スプレッド
コインチェック「販売所」のライトコイン買い価格が15804円の時、売り価格は14679円で、スプレッドは約7.1%でした。ちなみにMONAは約12.1%でした。
ビットフライヤーのアルトコイン販売所スプレッド
bitFlyer「販売所」のライトコイン買い価格が16026円の時、売り価格は14121円で、スプレッドは約11.8%でした。ちなみにMONAは約25.3%でした。
Zaifのアルトコイン販売所スプレッド
Zaif「販売所」のNEM買い価格が24.622円の時、売り価格は22.173円でした。
スプレッドは約9.9%でした。
bitbankのアルトコイン販売所スプレッド
bitbank「販売所」のMONA買い価格が160.672円の時、売り価格は155.635円でした。
スプレッドは約3.1%でした。
ライトコイン買い価格が15308円の時、売り価格は14831円でした。
スプレッドは約3.1%でした。
「販売所」のアルトコインスプレッド一覧
コインチェック LTC | 約7.1% |
---|---|
コインチェック MONA | 約12.1% |
bitFlyer LTC | 約11.8% |
bitFlyer MONA | 約25.3% |
Zaif NEM | 約9.9% |
bitbank MONA | 約3.1% |
bitbank LTC | 約3.1% |
販売所を使うならbitbankが最も優良である
アルトコイン販売所のスプレッドを取引所別にザっと見てみましたが、最もスプレッドが広い(暴利)のはビットフライヤーのMONA25%あたりでした。
そしてもっともスプレッドが狭く使えそうなのはbitbankのアルトコイン販売所で、LTCもMONAも平均スプレッド3%ということで良心的に見えます。
アルトコイン現物は「販売所」で購入してはいけない
アルトコインは基本的に板取引がある取引所で取引をしましょう。
特にスプレッドの広いコインチェックとビットフライヤーのアルトコイン販売所はお勧めしませんが、使いやすい場所にあるのでつい初心者は使ってしまいがちです。
国内でアルトコインを購入するならbitbankかZaif
適正な価格で購入することができる板取引所があることを知っておきましょう。
アルトコインの現物購入に最も適しているのは、bitbankのアルトコイン取引所(XRP、MONA、ETH、BCH:BCC、XLM)
二番手でZaifのアルトコイン取引所(NEM、MONA、ETH、BCH等)です。
ビットコインFX取引所のスプレッド比較
各取引所のスプレッドは私が実際に調査した感じ以下のようになりました。
(※相場状況によって変動アリ、板取引はスリッページを考慮せず)
ビットコインFX取引所のスプレッド一覧
取引所名 | BTCFXスプレッド |
---|---|
Bybit,bitmex | 0.00007%以下 |
bitflyer | 0~0.05%以下 |
GMOコイン | 0.001~0.05% |
DMMビットコイン | 0.003~0.04% |
海外大手取引所のスプレッド
以前比較したものですが、海外の仮想通貨FX専門取引所のBitMEX等は板取引なのでスプレッドはトレード画面のオーダーブック(取引板)をみれば分かります。
0.5ドルです。日本円にして50円程度。
1BTC=6400ドルの時、0.00007%。BTCの価格が上がれば上がるほどパーセンテージは下がっていきます。ほぼスプレッドはないといえます。
どんなにビットコイン価格の急変動があったとしても、取引板が厚ければこのスプレッド0.5ドルはほぼ変わりません。
Bybit(バイビット)やOKXも板取引なので同じような感じです。
bitFlyerビットコインFXのスプレッド
bitFlyerビットコインFXは唯一板取引で信用取引ができるので、スプレッドはほぼ0%です。
しかし相場変動時には板がスカスカになることもあるのでスリッページには気を付けたいところです。通常時は国内でビットフライヤーのスプレッドが最も少ないといえますね。
相場変動時のbitFlyerビットコインFXスプレッド↓
あと忘れてはいけないのは、bitFlyerのFXにはビットコイン現物価格との乖離率が5%を超えるとSFD手数料というものが加算されるという点です。
またビットフライヤーのlightningFXは新規登録者は使えないのでBybit等よりも新参トレーダーが少なくスリッページが起きやすくなります。
GMOコインFXのスプレッド
GMOコインビットコインFXのスプレッドはBTCが72万円の時1000円ほど、0.001%となりました。
これだけを見るとスプレッドが小さいように見えますが、GMOコインには相場の値動きの幅によって段階的にスプレッドが引き上げられます。
ピーク時にはスプレッドが0.05%程まで上がりました。
DMMビットコインFXのスプレッド
DMMビットコインFXのスプレッドは2500円、約0.003%程度でした。
しかしDMMビットコインも、GMOコインと同じように、相場の変動率によってスプレッドがかなり増減します。この画像では約4%になっています。
TAOTAOのビットコインFXスプレッド
TAOTAOは7868円(約0.2%)のスプレッドでした。
アルトコインFXのスプレッド比較
海外BitMEXの板取引(オーダーブック)でイーサリアム(ETH)を例にアルトコインFXのスプレッドを比較してみようと思います。
BitMEXのオーダーブックを見ると以下のようになっていたので、スプレッドは0.0002%と見ることができます。
アルトコインFXがある各取引所のイーサリアムFX(信用取引)のスプレッドを比較してみましょう。まずは、数値だけ掲載するので詳細は以下の章を読んでください。
アルトコインFXのスプレッド一覧
取引所名 | ALTFXスプレッド(%) |
---|---|
Bybit、BitMEX | 0.0002% |
GMOコイン | 0.029%~ |
DMMビットコイン | 0.062%~ |
アルトコインFXも、流動性がある海外板取引所が他の取引所より100倍くらいスプレッドが小さいですね。※スリッページは考慮してない値です
GMOアルトコインFXのスプレッド
GMOアルトコインFX(イーサリアム)のスプレッドは676円、0.029%でした。
相場変動時はもっと上がってくると思います。
DMMアルトコインFXのスプレッド
DMMアルトコインFX(イーサリアム)のスプレッドは0.062%ほどでした。平常時でもそれなりに高いスプレッドですね。変動時にはもっと上がると思います。
スプレッド手数料の注意点
板取引ではない取引所には即時売買というメリットがある
ここまで散々販売所方式に否定的な論調で書いてきましたが、スプレッドが広い販売所の優位性についても書いておきます。
Bybit(バイビット)やビットフライヤーなどは板取引といってユーザー間の売買なので、注文とマッチする相対オーダーがないと取引が成立しません。
しかしGMOコインやDMMビットコインなどは販売所といって取引所との売買になるので即座にオーダーが成立します。
その点、スプレッドが広いですが取引高の少ないアルトコインでは販売所形式の取引所の方がスキャルピングなど高頻度取引には向いているといえますね。
「手数料無料!」という言葉の裏を読もう
手数料が無料なのに、宣伝広告を打っているということは、どこかでちゃんと利益を出しているということです。
その取引所がどのようにして利益を上げているのか言葉の裏を考えてトレードに臨むようにしてください。
スプレッドが低いからと言って安心しない
また、スプレッドが狭いからといってBybit(バイビット)やbitFlyerで気軽にトレードするのみ禁物です。
スプレッドで手数料を取っていないということは、どこかで手数料を取っているのです。
GMOコインやDMMビットコインは指値注文・成行注文などの取引手数料が無料だが、Bybit(バイビット)は取引(成行注文)ごとに手数料が発生するなど。
各取引所スプレッドのまとめ
ビットコイン・アルトコインの現物販売所、ビットコインFXのスプレッドを国内外の他社と徹底比較して記事をまとめてみましたがいかがでしたか?
ビットコインもアルトコインも、スプレッドのある「販売所」で買うことがどれだけ情弱(養分)なことかお分かりでしょうか。
しいてビットコイン・アルトコインの「販売所」を使うなら、良心的なスプレッドであるbitbankを使いましょう。
特にビットフライヤーとコインチェックのアルトコイン販売所は鬼スプレッドなので利用価値がありません。
ビットコイン現物を買うなら各取引所の「取引所」を使うこと、
アルトコイン現物を買うならbitbankの板取引「取引所」を使うことがベストです。
Zaifの板取引はbitbankが取り扱っていない銘柄の購入に需要があります。
またビットコインFXで、スプレッドがなく勝ちやすいのは取引高の多い板取引形式の取引所です。
※他にも理由があるが以下の記事で説明しています。
オススメなのはBybitをはじめとした海外取引所になってしまいます。
※国内唯一まともなビットフライヤーの板取引ビットコインFX(lightningFX)は新規登録者の利用が出来ない為。
皆さんのトレード戦略の参考になれば幸いです。
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