暗号通貨時価総額トップのビットコインは、金融市場全体の低迷の中、11年ぶりに最悪の四半期ドローダウン(-56%)を記録しました。
今回はその原因となっている市場環境をおさらいしてみましょう。
56%減は11年間ぶりの下落率
暗号通貨マーケット低迷の中、第2四半期の56%減は、2011年第3四半期以降(過去11年間)で最悪の落ち込みとなりました。
(執筆時点)CoinGeckoのデータによると、ビットコインは19,452ドル(267万円)で取引されています。
ビットコインは前週に19,000ドルの両側で推移していたが、その後わずか1.9%増回復し、小康状態が続いています。
この四半期損失は、金融市場全体で複数の危機が発生したことに起因していると見られています。
主な原因とみられるファンダメンタル
- Terraショック
- 3ACの破産・夜逃げ
- Celsiusの出金停止
- BLOCKFI買収など
- アメリカの利上げ
5月のゴールデンウィーク明けにTerraが運営するLunaとUSTが崩壊、数日で99%下落しほぼ無価値になるという暗号通貨市場にとって大事件が起こりました。(Terraショック)
6月には、大手暗号通貨レンディングサービスであるCelsiusが顧客の引き出しを停止することを決定。
そして、一時期はクリプトレンディングで圧倒的勝者であったBLOCKFIがFTXによって値下げされたディスカウント価格で買収されることになったというニュース。
Terraショックの余波はまだまだ終息しておらず市場全体に伝染しており、暗号ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)は現在英領ヴァージン諸島で清算に直面しています。
この連鎖倒産リスクはまだ完全に顕在化されていない、と21SharesのリサーチディレクターであるEli Ndinga氏は述べています。
そしてThree Arrows Capital(3AC)2人の創業者スー・チュー(Su Zhu)氏とカイル・デイビス(Kyle Davies)氏はこれまで清算手続きに協力的ではなく、今どこにいるかわからない状況です。
シンガポールの事務所から夜逃げしたとも噂されていますが、本人たちの声明によると、命を狙われる危険から身を守るためとのことです。
一方、インフレ率の上昇と世界中の中央銀行による利上げにより、従来の金融市場はこの2ヶ月間動揺しています。
2022年7月にはアメリカCPI(消費者物価指数)はオイルショックから40年ぶりの9.1%という数値に達しました。
さらに、アトランタ連銀は今週、第2四半期の予測を修正し、2四半期連続のマイナス成長を予測しました。
これは、2022年後半もアメリカが景気後退に陥り下落トレンドが継続する可能性を暗示しています。
さいごに
海外報道を参考にビットコイン市況についてまとめてみました。
シリーズ化するイメージがついたらまた書くと思います。
コメント欄